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ヒートテックが暖かくなる仕組み:その秘密は「吸湿発熱繊維」にあった

   

ヒートテック 仕組み

2003年にヒートテックが発売されてから18年の時が経ちました。
現在では、多くのブランドから冬用インナーが販売されていますが、そのパイオニアになったのがヒートテックなのです。
ヒートテックは冬用インナーの代名詞となり、老若男女問わず普及しています。

そんなヒートテックは、生地は薄いが、着ると不思議と暖かいです。
なぜ、着ると暖かいのでしょうか。

本記事では、ヒートテックが暖かくなる仕組みについて迫っていきたいと思います。

 

ヒートテックが暖かくなる仕組み

ヒートテックが暖かくなる秘密は、生地に隠されています。
ヒートテックの生地には、「吸湿発熱」という暖かくなる仕組みが採用されているのです。

吸湿発熱とは、繊維に吸収された水分を摩擦によって発熱させる仕組みのことをいいます。

人間は、運動をしなくても1日0.8リットルの水蒸気を、体から発しているといわれています。
その水蒸気が吸着した生地と肌が摩擦を起こした際に発熱するのです。

ヒートテックを着て、歩いたり力仕事をしたりすると暖かくなるのは、そのためです。

下の動画では、ヒートテックの吸湿発熱効果についての実験が公開されているので、見てみてください。

なお、ヒートテックは、着用した際に摩擦が起きやすいようフィット感のあるサイズに作られています。
ただし、フィット感を求めると相反するように窮屈感も発生します。
窮屈に感じないよう、ヒートテックの生地には伸縮性のあるポリウレタンも使用されています。

 

吸湿発熱を下支えする多くの機能

ヒートテックが暖かくなる秘密は、吸湿発熱だけではありません。
吸湿発熱が起こりやすい環境を下支えする、以下の機能も備わっているのです。

 

吸水力

ヒートテックは、吸水力のあるレーヨンという化学繊維が使用されています。

ユニクロと東レの共同で開発されたと言われている吸湿発熱ですが、実は、ヒートテックの登場前から、その原理を利用して暖かくなる繊維がありました。

それが羊毛繊維です。
古くから、羊毛繊維は吸湿して暖かくなることで知られ、防寒衣類として重宝されていました。
つまり、羊毛繊維の暖かくなる仕組みを利用して開発されたのが、ヒートテックなのです。

その際、ユニクロと東レは吸湿発熱がより起こりやすいのように、羊毛繊維より吸水力のあるレーヨンに着目します。

ヒートテックは、レーヨンを使用して、羊毛繊維より吸湿発熱を起こしやすいようにつくられているのです。
だからこそ、ヒートテックはあの生地の薄さで暖かくなる仕組みを実現させられているのです。

 

速乾性

ただ、吸水力を高めると水気が残り汗冷えする可能性が高くなります。
スポンジが吸える水量に限界があるように、衣類にも蓄えられる水量に限界があるのです。

そこで、効率的に水分を外に逃がせるように、ヒートテックには速乾性に優れたポリエステルという化学繊維が使用されています。

吸水力を高めて吸湿発熱を起こりやすい環境づくりをする一方で、汗冷えしないように効率的に水分を外に逃がす、という2つの工夫が薄いヒートテック生地で実行されています。

ヒートテックは、990円という安価にも関わらず、様々な工夫が凝らされた、高機能な冬用インナーなのです。

 

保温性

上の動画で紹介されている通り、ヒートテックは保温性にも優れています。

繊維が細かく編み込まれているうえに、1本1本の糸が細いため、一般的な綿素材に比べ、熱が逃げにくく、冷たい空気が侵入しづらいです。
そのため、ヒートテックは保温性が高いのです。

 

吸湿発熱繊維のデメリット

ヒートテック デメリット

寒い冬にとっては、いいこと尽くめの吸湿発熱繊維ですがデメリットもあります。
具体的には以下の2点が挙げられます。

 

短時間に多量の汗をかくと濡れやすい

吸湿発熱が採用された生地は、短時間に多量の汗をかくと濡れやすいのがデメリットです。

吸湿発熱を起こすのに重要なレーヨンは、優れた吸水力が逆に仇となるケースがあります。

というのも、繊維は保水量が決まっています。
レーヨンは、あまりに効率よく水分を吸収するため、激しい運動などで短時間に多量の汗をかくと、保水量の限界値を超えます。
すると、飽和状態になり、行き場をなくした水分で生地が濡れる、という現象が起こるのです。

前出で触れた通り、ヒートテックには速乾性を促すポリエステルが使用されています。
とはいえ、それと同量のレーヨンが使用されていいます。
そのため、短時間で多量の汗をかくと乾くスピードが追いつかず濡れるのではないかと考えられます。

僕も冬にヒートテックを着て自転車に乗った際、背中が汗で濡れて冷たく感じたいう経験が多々あります。

 

肌が乾燥しやすい

吸湿発熱繊維は、肌を乾燥させやすいのもデメリットです。

人間の肌は、潤いを保つために蒸発する水分を調整しているといわれています。

しかし、レーヨンが、身体から発せられる蒸気を効率よく吸収するあまり、潤いを確保するための肌の水分さえも奪う可能性があるのです。
すると、肌が乾燥し、湿疹や蕁麻疹(じんましん)などの肌トラブルやを引き起こす起こるケースがあります。
人によっては、乾燥を保湿するための防衛反応で、油脂の分泌が活発になりオイリー肌になる方もいるようです。

肌が乾燥しやすい方は、吸湿発熱が採用されているヒートテックの着用は注意が必要です。

ヒートテックを着るとかゆくなる?その原因と代わりになるインナーを紹介

 

ヒートテックの着用におすすめしないシーン

吸湿発熱には以上でお伝えした特徴があるため、とりわけ以下のようなシーンではヒートテックに着用はおすすめしません。

▲外でじっとしている時間が多い仕事…身体を動かさないと吸湿発熱が起こらず、暖かくなりづらいため

▲汗をかくような激しい運動…暑くなったり汗を吸収しきれず汗冷えする恐れがあったりするため

▲登山…山の気温は低いうえに、多量の汗を吸収できず冷えるおそれがあるため

 

メンズとレディースでは性能が異なる

ヒートテック 仕組み 種類

実はヒートテックは、メンズとレディースで若干性能が異なります。

メンズのヒートテックは、力仕事などで汗をかく機会が多い人でも着れるように、速乾性に特化した性能になっています。
対して、レディースは、美容に気を使う女性にとって大敵な乾燥に対応するため、水分を吸収しすぎないようにつくられています。

ですので、日常的に汗をかく女性は、メンズのヒートテックを着用するのも一手です。
一方、乾燥肌の男性は、着れるサイズがあればレディースのヒートテックを着用するのも選択肢の1つに入れてみてもいいかもしれません。

 

まとめ

ヒートテックが暖かくなる仕組みについてご理解いただけましたか?
ヒートテックは、身体から蒸発された水分を熱に変換させる「吸湿発熱」という方法を利用して暖かくなります。

しかし、吸湿発熱は、短時間に多量の汗をかくと濡れやすかったり、肌が乾燥しやすかったりなどのデメリットもあるため、適さないシーンもあります。
それを知らずに、「ヒートテックは暖かくない」「すぐ濡れる」などと感じ、せっかく買ったヒートテックをタンスの肥やしにしてしまう人も少なくありません。

ですが、暖かくなる仕組みを理解すれば、ヒートテックは寒い冬の大きな味方になります。
こんなにコスパに優れた衣料も珍しいと思います。

本記事をきっかけに、ヒートテックで寒い冬を過ごす方が増えたら幸いです。

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