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わざわい転じて福となす!新日本プロレスがコロナ禍で得た思わぬ成果

   

新日本プロレス コロナ禍

新型コロナウイルスの流行で、外国人選手は新日本プロレスに参戦が難しくなりました。
ジェイ・ホワイトやジュース・ロビンソンをはじめ、多くの外国人レスラーが活躍する新日本プロレスにとって、それは痛手以外の何ものでもありませんでした。

しかし一方で、思わぬ成果を得たのではないかと僕は考えます。

 

新鮮な対戦が目白押しのNEW JAPAN CUP

新日本プロレスは、新型コロナウイルス流行の影響で、2020年の3月から5月は一切興行を行っていませんでした。

興行が再会されたのは6月のNEW JAPAN CUP。
参加出来ない外国人ヘビー級レスラーの参加枠を埋めるために、ジュニアヘビー級のレスラーも名を連ね、実に12年ぶりの無差別級トーナメントとしての開催になりました。

オカダ・カズチカ対高橋ヒロムなど、普段見られない新鮮な対戦が目白押しとなり、参加できない選手が多い中で、ここまで面白いカードを組める新日本プロレスに、選手層の厚さを強く実感しました。

 

マンネリ化する対戦カード

内藤哲也 EVIL

しかし、新鮮味は長くは続きませんでした。

「NEW JAPAN CUP」に続いて開催された「SENGOKU ROAD 2020」「SUMMER STRUGGLE 2020」「NEW JAPAN ROAD」で、早くも「同じ対戦カードばかりで飽きた」というマンネリの声が、ツイッターなどで散見されるようになりました。

EVIL対高橋ヒロムの2冠戦や鷹木信悟対エル・デスペラードのNEVER戦など、一部の新鮮なカードは行われるものの、プッシュしていた外国人選手のいない新日本プロレスは、既視感のある対戦カードで繋ぎ止めている感が否めませんでした。

2020年の後半期、内藤哲也対EVILが4度も行われたのは、まさに新日本プロレスのマンネリ化を象徴していました。
話題作りに苦慮した内藤の心中は想像に難しくありません。

 

マンネリを打破するための試み

その一方で、マンネリを打破するための新日本プロレスの試みも垣間見えました。

対戦形式をファン投票で決める「KOPW」の新設。
ストロングスタイルを掲げる新日本プロレスらしくないタイトルの新設には、興味を惹かれました。

また、久しく行われていなかった鈴木みのる対永田裕志をメインイベントに組むあたりも、往年のファンを喜ばせるための飽きさせない創意工夫が凝らされていました。

さらに、来日出来ない選手を中心に展開される「NJPW STRONG」という新番組の配信もスタートしました。
見慣れない顔ぶれが多く新日本プロレス色は薄いですが、様々なパターンの対戦カードが組まれるなど、多くのアイデアが盛り込まれています。

これらからは、00年代後半の新日本プロレス暗黒時期の「やれることは何でもやろう」という姿勢が見られるのです。

 

積極化するレスラーたち

天山広吉 オーカーン

その新日本プロレスの姿勢は、遠ざかる自身の活躍を横目に、雌伏して時を待っていたレスラーに変化をもたらしました。

とりわけ、天山広吉、小島聡、高橋裕二郎の3名の積極化は顕著です。

オーカーンとのシングルマッチを控えた天山は、パイプ椅子を振り回す反則殺法で、前哨戦でオーカーンを圧倒しました。その様は、猛牛の如く暴れていた若かりし頃の天山がオーバーラップしました。

小島聡は、USヘビー級次期挑戦権利証を保持するKENTAに「齢50を迎えたこのプロレスラーの挑戦を受けてみるつもりはありませんか?」と、内に宿る野心を覗かせながら、挑戦表明します。
結果、東京ドーム大会で、KENTA対小島聡のUSヘビー級次期挑戦権利証争奪戦が組まれました。
小島が東京ドームでシングルマッチを行うのは、2011年以来10年ぶりのことです。

近年、バレットクラブの中和役に徹した裕二郎は、オカダ・カズチカに「お前は超人じゃない、ただの人間だよ。人間だったら言い訳しろよ。昨日のEVIL戦の介入。6年前のAJとのタイトルマッチの介入。お前はよ、どっちも俺の介入に対して言い訳しなかったよな。そういうところが大っ嫌いなんだよ。」と、胸の内にしまい込んできた怒りを露わにしました。
それを受けて、久しくフューチャーされてこなかたった裕次郎に、オカダとのシングルマッチという、またとないチャンスが巡ってきました。

以前の新日本プロレスは、ベルト戦線に食い込めないレスラーは発言権がないから置き去りにされている感がありました。
しかし、現在の新日本プロレスでは、どのレスラーでも手を上げれば、おいそれと希望するカードが組まれるのです。

 

大盛況ではないが大変革が起きている

このご時世、観客動員は非常に難しくなっています。
日本最大のプロレス団体・新日本プロレスとて、それは例外ではありません。
常に満員だった後楽園ホールは、400人に満たない観客動員まで落ち込みました。

しかし、それと相反するように、それぞれのレスラーが積極的に行動するようになり、リング上はイキイキとしています。
大盛況とは言えませんが、大変革が起きていると言えるでしょう。

新日本プロレスは、コロナ禍で「レスラーの積極化」という思わぬ成果を上げ、わざわい転じて福をなしたのです。

新型コロナウイルスが収束を迎え、今まで通りの興行が再開されたとき、新日本プロレスはベルト戦線以外も話題に事欠かない、かつてない”モンスター団体”になるのではないでしょうか。

推測の域を超えたエンターテイメントの世界にファンを連れていってくれるのではないだろうか。
僕は、そんな楽しい未来を期待せずにはいられません。

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