僕は、エアリズムを長年愛用していますが、「臭い」と感じたことがありません。
しかし、ネット上の口コミを見ていると、「エアリズムが臭くなってきた」「エアリズムの臭いがとれない」といった、臭いに関する悩みが多く散見されます。
エアリズムには抗菌消臭・消臭機能が備えられています。
にも関わらず、なぜそのような臭いにまつわる悩みが起こるのでしょうか。
調べてみると、エアリズムの機能性の高さが、ある弊害を起こしていることが分かりました。
本記事では、エアリズムが臭くなる原因や、臭いを取る洗濯方法などをお伝えします。
エアリズムが臭い原因
エアリズムが臭い原因は、次の2つの原因が考えられます。
①ポリエステルのにおい
②皮脂汚れが落ちにくい
それぞれ見ていきましょう。
【原因①】ポリエステルのにおい
まず、ポリエステルのにおいを「臭い」と感じる方が、一定数いると考えられます。
エアリズムは、ポリエステルという素材をメインにつくられています。
ポリエステルの原料は、テレフタル酸とチレングリコールという2つの化学物質です。
いずれも、石油を基につくられています。
そのため、石油のにおいを臭く感じる人が、エアリズムを臭いと感じると考えられます。
また、新品のエアリズムを臭いと感じる方が一定数いるようです。
それも、ポリエステルのにおいかもしれません。
【原因②】皮脂汚れが落ちにくい
皮脂汚れが落ちにくいことも、エアリズムが臭くなる原因に挙げられます。
皮脂汚れが落ちにくいのは、次の2つの要素から引き起こされていると考えられます。
水に馴染みにくい
まず、エアリズムが水に馴染みにくいことが原因に挙げられます。
エアリズムの素材に使用されているポリエステルは、既述の通り石油を基につくられています。
そのため、水に馴染みくい性質を持っています。
その性質を活かして、エアリズムは高い速乾性が実現されています。
しかし一方で、洗濯をしても水が馴染まず、生地に付着した皮脂汚れが落ちにくいという弊害が起きているのです。
毛細管現象
エアリズムの生地は、速乾性の高さを実現させるために、直径8マイクロメートル以下(髪の毛の100分の1以下の細さ)の繊維が採用されています。
繊維を細くすると、毛細管現象が起きるためです。
毛細管現象とは、液体が、細い管の中やすき間を上昇していく現象のことを指します。
小学校の習字の授業などで、筆先に触れた墨汁が、重力に関係なく筆中に吸い上げられていく現象を見たことがあるでしょう。
あれが、毛細管現象です。
エアリズムの生地内では、以下の順序で毛細管現象が起きています。
①かいた汗がエアリズムの生地の内側(肌に接している麺)に吸着する
②汗がエアリズムの繊維のすき間を通り、外側(肌に接していない面)に移動する
③外側に移動する過程で、汗が蒸発される
以上の過程で、皮脂汚れがエアリズムの生地内に残っていると考えられます。
エアリズムは、毛細管現象による速乾性の高さと引き換えに、皮脂汚れが溜まりやすいという弊害が起きているのです。
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エアリズムにいわゆるにおい戻りが起きやすいのは、「水に馴染みにくい」「毛細管現象」の2つが原因でしょう。
エアリズムの臭いを取る洗濯方法
ポリエステルの臭いはどうにもならないかもしれませんが、毛細管現象によって生地内に溜まった皮脂汚れを落とる洗濯方法はあります。
ここでは、皮脂汚れによるしつこい臭いを取る洗濯方法を紹介します。
まず、次の2つの洗剤を用意してください。
・オキシクリーンやワイドハイターEXパワーなどの酸素系漂白剤
・ニュービーズやアタックなどの弱アルカリ性粉末洗剤
その上で、以下の手順で洗濯を行います。
①容器に40度以上のお湯を張る
酸素系漂白剤に含まれる酸素が、40度以上のお湯と混ぜると活性化し、強力な漂白が発揮されるためです。
②お湯に酸素系漂白剤を投入する
③エアリズムを入れ30分程度つけ置きする
つけ置きすることで、生地内に溜まった雑菌や皮脂汚れを落とします。
酸素系漂白剤は、汚れ落とし効果が強い一方で、生地を変色させたり傷めたりする可能性があるため、つけ置き時間は30分程度に留めてください。
④洗濯機に入れ、弱アルカリ性の粉洗剤で洗濯する
酸素系漂白剤が残っていると肌トラブルを引き起こす可能性があるため、洗濯機で洗います。
エアリズムのみで洗濯するのが理想ですが、油汚れのない洗濯物とは一緒に洗っても問題ありません。
⑤天日干しする
エアリズムの生地には、ライオナイトPCと呼ばれる悪臭を処理する構造が施されています。
ライオナイトPCに日光などの紫外線を当てると、吸着した悪臭の素を分解・放出します。
ですので、ライオナイトPCが備えられたエアリズムは、天日干しすることで消臭機能が発揮されるのです。
エアリズムの黄ばみの正体
エアリズムの臭いに悩む方の中には、脇汗による脇部分の黄ばむに困っている方が少なくないようです。
確かに、脇は汗をよくかく部分なので、それが黄ばみの原因になっているように感じます。
しかし、脇部分の黄ばみの正体は、制汗剤の可能性があります。
制汗剤自体には黄ばみを引き起こす成分は入っていません。
ですが、制汗剤に使用されるタルク(鉱石を細かく粉砕したもの)などの化合物が、汗と混ざり合い蓄積すると、酸化して黄ばむケースがあるのです。
制汗剤を使用していてエアリズムが黄ばんでいる方は、黄ばみの基になる化合物が入っていないアルミフリーの制汗剤を使用するのがベターでしょう。
エアリズムを洗濯するとベタベタする原因
エアリズムの臭いを気にする方の中には、洗濯するとベタベタする方もいるようです。
それは、柔軟剤の入れすぎが原因かもしれません。
臭いを消すために、必要以上の柔軟剤を使用している可能性が考えられます。
柔軟剤は、衣類の繊維をコーティングすることで、香りをつけたり、ふわふわ感を出したりします。
洗濯時に必要以上の柔軟剤を多く入れると、その分、コーティングの層が厚くなります。
その結果、ベタベタすると考えられます。
エアリズムのベタベタが気になる方は、柔軟剤の量を見直した方がよいでしょう。
エアリズムを着た際のワキガのニオイ
エアリズムを着ると、ワキガのニオイがいつもより気になる方がいるようです。
エアリズムは、汗の水分は蒸発させるものの、それとともに出たニオイの素は生地に溜まります。
そのため、他の衣類と比べ、ワキガのニオイが気になるのかもしれません。
エアリズムの着用時にワキガのにニオイが気になる方は、デオナチュレのソフトストーンWがおすすめです。
ワキガのニオイは、脇の下などに存在するアポクリン腺から出たタンパク質や脂質が、雑菌によって分解されることで発せられます。
つまり、雑菌を寄せ付けないことでニオイを防ぐことがことが期待されます。
デオナチュレのソフトストーンWは、天然アルム石というデオドラント成分を使用し、雑菌の繁殖を抑える効果があります。
エアリズムが寿命を迎えるまでの期間
エアリズムの臭いは、寿命と関連性があるのではないか、と考えている方がいるようです。
しかし、臭いの原因は、ポリエステルあるいは皮脂汚れです。
寿命と関係ないと考えられます。
なお、エアリズムの寿命は、2~3年と言われています。
それはエアリズムの伸縮効果を作用させているポリエチレンの寿命が、2~3年で機能が低下するためです。
ポリエチレンが寿命を過ぎると、フィット感がなくなったり生地が波打ったりします。
とはいえ、僕は5年以上経っても着ています。
確かに、購入当初よりフィット感がなかったり、清涼感が軽減されていたりします。
しかし、一定の清涼感は保たれているので、寿命が過ぎても着続けています。