ユニクロの公式ホームページなどからは、ヒートテックの寿命について明確に公表がされていません。
ですが、ユニクロのヒートテックに寿命があるって知っていましたか?
「購入した当初より、心なしか暖かさを感じない」
そのように感じた経験がある方はいるのではないでしょうか。
もしそうなら、そのヒートテックは寿命かもしれません。
とはいえ、寿命がどうかの基準が分からなければ見切りをつけることができませんよね。
そこで今回は、ユニクロのヒートテックインナーの寿命について深掘りしていきたいと思います。
ヒートテックインナーの寿命期間
ヒートテックインナーの寿命期間は、一般的に1~3年といわれています。
使用頻度によって変動はするものの、最短で1年間は使えます。
ですので、1~2シーズンごとの買い替えをおすすめします。
また、ヒートテックインナーは毎年進化しており、暖かさだけでなく着心地やデザインも向上しています。
新品のヒートテックインナーに買い替えることで、寒い季節を快適に過ごせることが期待できます。
ヒートテックインナーの寿命が1~3年といわれる理由
ではなぜ、ユニクロから公表されていないにも関わらず、ヒートテックインナーの寿命が1~3年といわれるのでしょうか。
それは、ヒートテックの生地にポリウレタンが使用されていることに起因しています。
ポリウレタンは収縮性の高い繊維で、着圧やフィット感を出すために使用されます。
ヒートテックが暖かくなるのは、吸湿発熱という仕組みが生地に採用されているためです。
吸湿発熱が発揮されるためには、身体にヒートテックがフィットしていることが条件になります。
つまり、ヒートテックの保温効果は、ポリウレタンがあってこそと言っても過言ではありません。
【関連記事】ヒートテックが暖かくなる仕組み:その秘密は「吸湿発熱繊維」にあった
そんなポリウレタンは、水分や熱、紫外線などの影響で経年劣化が避けられない素材です。
とりわけ水分に弱く、洗濯を繰り返すと劣化が進みます。
ポリウレタンは、一般的に製造後3年が限度といわれてます。
製造直後から空気中に含まれる水分で劣化が始まり、その影響が通常2~3年後に現れるのです。
そのため、洗濯をすれば水分で劣化が加速し、着用すれば体熱で劣化が輪をかけて進みます。
つまり、使用頻度が多ければ多いほどポリウレタンの劣化は進行し、ヒートテックの寿命は早まるのです。
ヒートテックインナーの寿命の目安
では、具体的にどのような状態になったらヒートテックインナーの寿命といえるのでしょうか。
以下を寿命の目安にするのがベターです。
ちなみに、ヒートテックインナーにはノーマル、極暖、超極暖の3種類があります。
いずれも、以下を寿命の目安にするのがベターです。
【目安①】フィット感がなくなる
全体的にフィット感がなくなり、生地にたるみが発生するようになったら寿命と捉えてよいでしょう。
それは、ヒートテックが暖かくなる仕組みである吸湿発熱が発揮されづらくなるためです。
実際、僕が持っているヒートテックタイツも生地にたるみが発生すると、買った時より暖かくないと感じます。
上記の画像は、手前の無地で黒のヒートテックタイツが先日購入した未着用のもので、奥のボーダーのものが約5年使用しているものです。
どちらもSサイズにも関わらず、奥のヒートテックタイツの方が少し大きくなっているのが分かりますよね。
ヒートテックインナーで特にたるみやすいのは、Tシャツだと首周り、タイツだと太もも周りです。
寿命かどうかを確かめたい方は、その部分をチェックしてみましょう。
【目安②】白い粉が吹き出る
画像引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12142817782
ヒートテックインナーを何度も着用すると、上記画像のように白い粉のようなものが現れるケースがあります。
この白い粉は毛玉のように見えますが、実際はポリウレタンです。
伸縮性を持たせるために使用されているポリウレタンが、度重なる使用によって、劣化するとベースの糸は何ともなくて、ポリウレタンの糸だけがブチブチと切れ、生地の表面にニョキっと白い粉を吹いたように出現するのです。
ポリウレタンが出ている箇所は、伸縮性が低下し、生地が伸びたままの状態を示す兆候です。
型崩れしている状態とも言えるでしょう。
寿命を迎えているサインと捉えてください。
ただ、白い粉が吹き出るのは黒のヒートテックインナーでないと確認がしづらいです。
ですので、黒のヒートテックインナーでない場合は、「①フィット感がなくなる」を寿命の目安にするのがベターです。
臭いは寿命の目安にならない
ネットの情報を覗いてみると、ヒートテックインナーの臭いを寿命の目安にしている場合があります。
確かに、ヒートテックインナーが臭うと、汗による皮脂汚れが起きている場合があります。
皮脂汚れは、生地が痛む1つの原因です。
しかし、「皮脂汚れ」=「寿命」ではありません。
ですので、臭いはヒートテックの寿命の目安にならないのです。
皮脂汚れは、オキシクリーンなどの酵素系漂白剤
を使用することで取ることができます。
10年以上ヒートテックインナーを愛用している僕の寿命の見解
本記事を読む方向けに、一般的な寿命の目安をお伝えしましたが、10年以上ヒートテックインナーを愛用している僕は、寿命に対する見解は異なります。
僕にとってのヒートテックインナーの寿命は、「穴が空くまで」です。
”腐っても鯛”という言葉があるように、保温効果が劣化しても、ヒートテックインナーはコットン製のインナーよりは暖かいんですよね。
たとえ、テロンテロン気味になり白い粉が吹き出しても僕はヒートテックを使い続けます。
おおよそになりますが、テロンテロンになって白い粉が吹き出してから1シーズンほど経つと穴が空いてきます。
そうなった時に、ようやくヒートテックインナーを捨てます。
僕の経験上、ヒートテックインナーを使い続けるとおおよそ下記くらいの期間で生地に穴が空きます。
ヒートテックTシャツ…7〜10年(首元か脇に穴が空く)
ヒートテックタイツ…3〜5年(股に穴が空く)
ヒートテック靴下…3〜5年(つま先やかかとに穴が開く)
ヒートテックインナーを長持ちさせる方法
ヒートテックインナーは900〜2000円とお手頃な価格ですが、購入したら長持ちさせたいものです。
ここでは、ヒートテックインナーを長持ちさせる方法についてお伝えします。
【方法①】ジャストサイズを購入
ヒートテックを購入する方の中には、インナーだからゆったりするように1つ上のサイズを購入している方がいるかもしれません。
しかし、ゆったりしていると購入の時点で、寿命の目安である「フィット感がなくなる」という状態になります。
僕も1度、2サイズ上のものを購入した経験があります。
はじめから暖かさはイマイチでした。
長持ちさせるためには、やはりジャストサイズを購入した方がよいのです。
もしくは、伸びることを想定してワンサイズ下の購入も一手です。
そうすることで、少しでも効果を長持させることが期待できます。
【関連記事】ヒートテックのサイズの選び方は「着心地最優先で密着度は二の次でよい」
【方法②】洗濯の際に一工夫する
洗濯の際に、次の方法を採るとヒートテックインナーが長持ちします。
・手洗い
・ネットに入れて洗濯する
・タオルを使って脱水
・日陰で平干し
ひとつずつ見ていきましょう。
手洗い
手洗いによる押し洗いがオススメです。
洗濯機で洗濯をすると他の衣服とグルグルと回され、摩擦で繊維が痛む原因になるためです。
手洗いは次の手順で行いましょう。
①ボール等に水を溜める
②洗剤を入れる(溶けやすい液体洗剤がオススメ)
③ヒートテックを入れ押すようにして洗う
ネットに入れて洗濯する
前出の手洗いが理想的ですが、時間と手間がかかるので、忙しい方はなかなか難しいでしょう。
そのような方は洗濯ネットに入れて洗濯機で洗いましょう。
洗濯ネットに入れることで、衣類同士の摩擦を軽減することができるためです。
ただし、洗濯ネットが大きいと、ヒートテックがネット内で動いてネットと摩擦が起こる可能性があります。
ですので、洗濯ネットは小さいタイプを選びましょう。
なお、毛玉の発生を防ぐために裏返しにするとよりよいでしょう。
タオルを使って脱水
洗濯機で脱水をすると洗濯と同様、他の衣服とグルグル回されるため、絡まって伸びてしまいます。
ですので、乾いたタオルで水分を拭き取るのがオススメです。
タオルで挟んでトントンと軽く叩くようにすると水分が取れます。
雑巾のように捻って水分を取るのは、繊維が伸びてしまう原因になるためNGです。
ただ、この方法も時間と手間がかかるので、忙しい方はネットに入れて脱水するのがよいでしょう。
日陰で平干し
脱水後、ハンガーにかけて干すと、まだ残っている水分の重みで下方向に伸びてしまいます。
伸びるのを防止するのにオススメなのが、平干しです。
平干し用の物干しネットがありますのでそれを利用して干しましょう。
また、ヒートテックに使用されているポリウレタンが熱に弱く高温のところでは変形することがあるので、日陰で干しましょう。
なお、乾燥機にかけるのはNGです。
乾燥機は熱によって乾かすため、ポリウレタンがダメージを受ける原因になります。
終わりに
改良に改良を重ね、毎年進化したヒートテックインナーが発売されます。
そのため、ヒートテックは毎年買い替えなければならないと思い込んでいる方も少なくないかもしれません。
しかし、本記事で紹介したように、「フィット感がなくなる」「白い粉が出る」が当てはまらない限り使い続けることが可能です。
ですので、毎年買い替えるかどうかは、使用頻度や洗濯の仕方によって左右されます。
本記事では、ヒートテックインナーが長持ちする方法も併せてご紹介しました。
持続可能な社会を目指す「サステナビリティ」が叫ばれる昨今です。
正しい寿命を理解して、環境に優しいヒートテックの使用を目指してみてはいかがでしょうか。