11.5大阪でIWGPジュニアヘビー級王者BUSHIを撃破し、再び王者となったKUSHIDA。
この二人の直接対決は今年だけで4回。
6月のBEST OF THE SUPER Jr.公式戦と
2,9,11月のIWGP ジュニアヘビー級戦の3回。
普通年間で4回も同じシングルマッチを見ると飽きてしまうものだが
二人の戦いはなぜか飽きない、飽きないどころか食い入るように引き込まれてしまう。
KUSHIDAへ嫉妬心剥き出しのBUSHI
この2人の辿った道は似ている。
アニマル浜口ジム、DRAGONGATE、全日本プロレスを経て2013年、新日本プロレスに入団したBUSHI。
高田道場、ハッスル、SMASHを経て2011年、新日本プロレスに入団したKUSHIDA。
色んな団体を渡り歩ったことも似ていれば、入団した時期も近い。おまけに誕生日は1ヶ月違いの同級生。
しかしそんな2人も、こと栄冠に関して言えば
手に入れる事のできなかったBUSHIとは対照的に、欲しい栄冠を全て手に入れてきたKUSHIDA。
差は歴然であり、そこにBUSHIはいつしか嫉妬心を抱くようになり
「KUSHIDAには絶対に負けたくない!」と思うようになったのだ。
最近のBUSHIはKUSHIDAと戦う時だけ、別人格のように嫉妬心剥き出しの怖い表情になる。
それはマスク越しでも分かるくらいである。
それだけBUSHIはKUSHIDAに対して、強い嫉妬心を抱いているのである。
BUSHIは眼中にない、ジュニアの明るい未来を見るKUSHIDA
それに対してKUSHIDAはと言うと、BUSHIの事が眼中にない。
見ているのはジュニアの明るい未来、ジュニアをさらに上のレベルに持っていくことである。
今のジュニアは選手層が薄すぎて、外国人選手に頼りっぱなしの状態が何年も続いている。
それに加え、ジュニアでトップを取った選手は、みんなジュニアを踏み台にするようにしてヘビー級に転向したり、他団体に行ってしまったことで
ジュニアの価値が下がる所まで下がり、いわばヘビー級の下のおまけ的存在にジュニアは成り下がってしまったのである。
しかし、過去のジュニアはそんな事なかった。
僕がプロレスを見始めた99年は、金本、大谷、高岩、ライガー、カシン、サムライなど役者が揃っていて、
毎回目まぐるしい戦いを繰り広げ、それに心躍らされていたものだ。
子供の頃のKUSHIDA少年もきっとそうだったに違いない。
あの頃のジュニアは正直ヘビー級より面白かった。
だからジュニアはもっと面白くなっていいはずである。
この状態を打破してジュニアのベルトを上に持っていくのは、ジュニアの世界に魅了されてプロレスラーになった
KUSHIDA以外にいない。
ジュニアをまた明るい世界に持っていくのはKUSHIDAにとって宿命なのである。
KUSHIDAとBUSHIのライバル関係は必然
上のレベルに持っていく過程には、いつの時代もライバルというものが存在する。
過去で言えば長州には藤波、武藤には蝶野と橋本、棚橋には中邑である。
どのライバル関係も一時代を築いてきた。
そして、KUSHIDAが向かっているジュニアの明るい未来に立ち塞がるライバルがBUSHIなのである。
BUSHIは、KUSHIDAだけには良い思いをさせたくないのである。
お互いまだ33歳、この先語り継がれていくであろう2人のライバルストーリーはジュニアを今まで見たことない景色に持っていくに違いない。
ライバルになったのはまさに、BUSHI風に言わせてもらえばデスティーノ、運命である。
この2人がこれから紡いでいくライバルストーリーに目が離せない!