現在、後藤洋央紀が防衛を続けるNEVER無差別級王座ベルト。
そんな好調な後藤に、ヤングライオンの岡倫之がNEVERに挑戦表明をしたことで
かつてのNEVERの意義が思い起こされています。
NEVERは「今後活躍が期待される選手を対象としたベルト」
NEVER無差別級王座は
若手選手の育成を目的とした興行「NEVER」で設立されたのが始まりです。
当初は、「今後活躍が期待される選手を対象としたベルト」という名目でした。
NEVER無差別級の初代王者を決めるトーナメントでは、当時ヤングライオンだった高橋広夢(現・高橋ヒロム)や、
G1出場が叶わず、くすぶっていたYOSHI-HASHIなどが名を連ねていました。
新日本プロレス第3のベルトへ
ときは流れ2018年。
NEVER無差別級は、IWGPヘビー、IWGPインターコンチネンタルに次ぐ、
新日本プロレス第3のベルトという位置づけになっています。
そのため、岡のような若手が挑戦出来るようなベルトではないところまでに
NEVERのベルトの価値は上がってきています。
NEVERの価値の上昇は岡のコメントからも現れています。
「後藤さんが『誰でもいい』って言ってましたね。NEVERってそういうベルトですよ。こんな試合じゃ顔じゃないですけど、もっと上に挑戦したいです。」
確かに岡が言うように、かつては若手でも挑戦出来るような”誰でもいい”ベルトでした。
ところが、NEVERの価値が上がってしまった今、これからを期待される若手が挑戦出来るベルトはなくなってしまいました。
ここで僕は、新日本プロレスにある提案をしたいです。
それは、かつてのNEVERの意義でもあった
「今後活躍が期待される選手を対象としたベルト」の新設です。
「スターダム」と「フューチャー・オブ・スターダム王座」
「若手にベルトは必要ない」
そう思うファンの方もいるでしょう。
僕もどちらかと言えば、その考えには賛同でした。
しかし、女子プロレス団体「スターダム」が
デビュー2年未満、または20歳未満を対象としたベルト「フューチャー・オブ・スターダム王座」を新設したことで考えは変わりました。
というのも、「フューチャー・オブ・スターダム王座」をめぐって、
デビュー1年にも満たない選手や中高生レスラーが
実力は不十分ではあるものの、気持ちの現れた非常に熱い戦い試合を繰り広げています。
ここまでバチバチの戦いを観てしまっては、「新日本プロレスにも若手を対象にしたベルトを作ってほしい!」と
懇願したくなるのです。
新日本プロレスに「次世代レスラーを対象にしたベルト」を新設する必要性
”ベルトは人を成長させる”と言われています。
かつて新日本プロレスに存在した30歳未満を対象にした「IWGP U-30無差別級王座」で
王者になった棚橋弘至は11連続防衛という記録を打ち立て、大きく成長していきました。
そして、若くしてエースになった棚橋は
瀕死状態だった新日本プロレスをV字回復させる立役者になった、という歴史もあります。
新日本プロレスの戦いのレベルが上がって活躍出来る選手が限られている今、
若手が成長しやすい環境を提供する、つまり若手を対象にしたベルトを新設することが、
新日本プロレスが次に着手すべきことではないか、と僕は思うのです。
そうすることで、将来の新日本プロレスを支える存在が出現するのではないでしょうか。
棚橋弘至がそうであったように。