ユニクロから販売されている「エアリズム」は通気性に優れ、接触冷感もあり、ジメジメした日本の夏には欠かせないアイテムとして人気です。
一方、ネット上では「エアリズムは汗を吸わない」という声が見られます。
実際僕も、エアリズムのインナーを着用し自転車に乗った際、背中が汗でびっしょり濡れてしまう経験を何度もしています。
エアリズムが濡れると、汗がトップスに移り、背中の汗染みが目立つため困ります。
ではなぜ、エアリズムは汗を吸わないのでしょうか?
本記事では、エアリズムが汗を吸わない原因とその対策方法を中心に詳しく解説します。
エアリズムが汗を吸わないことにお悩みの方は必見です。
エアリズムが汗を吸わない原因
さっそく、エアリズムが汗を吸わない原因について説明していきます。
主に、以下の2つの原因が考えられます。
【原因①】短時間で大量の汗をかくと蒸発が追いつかない
エアリズムは、短時間で大量の汗をかくと蒸発が追いつきません。
それは、エアリズムの生地が短時間でかく大量の汗に対応できるように作られていないためです。
エアリズムは、適度な汗に対しては、サラサラとした状態が保たれます。
それは、極限まで極細化した「カチオン可染型ポリマー」による、毛細管現象が起きているためです。
・毛細管現象とは 液体が、細い管の中やすき間を上昇していく現象のことを指します。 画像引用元:ミニものブログ |
エアリズムの生地では、以下の順序で毛細管現象が起こります。
①かいた汗がエアリズムの生地の内側(肌に接している面)に吸着する
②汗がエアリズムの繊維のすき間を通り、外側(肌に接していない面)に移動する
③外側に移動した汗が蒸発される
以上のように毛細管現象が起こるため、エアリズムは適度な汗に対しては、サラサラとした状態が保たれます。
しかし、短時間で大量の汗をかくと、それに対する毛細管現象が追いつかなくなります。
すると、汗が生地内で渋滞を起こし、エアリズムが汗浸しの状態になるのです。
その結果、エアリズムが「汗を吸わない」という状態に陥ります。
【関連記事】エアリズムの人気を下支えする「素材」の特長に迫ってみた!
【原因②】柔軟剤の使用
エアリズムを洗濯する際に柔軟剤を使用すると、速乾機能が低下する可能性があります。
そもそも柔軟剤には、衣類の繊維を油膜でコーティングする機能が備えられています。
それにより、衣類を柔らかくしたり、静電気を抑制したりします。
その一方で、衣類が持つ吸水性や吸湿性が低下するおそれがあるのです。
それだけでなく、柔軟剤の残留物が蓄積され、衣類の通気性も低下する可能性も否定できません。
そのため、エアリズムを洗濯する際に柔軟剤を使用すると、汗を吸いづらくなる可能性が考えられるのです。
エアリズムと相性がよくない人の特徴
エアリズムは短時間でかく大量の汗に対応できないため、合わない人が一定数います。
エアリズムと相性がよくない人の特徴は、以下の通りです。
【特徴①】汗をかきやすい・多汗症
汗をかきやすい方や多汗症の方は、エアリズムと相性がよくない傾向にあります。
それは、短時間で大量の汗をかきやすい傾向にあるためです。
また、汗をかきやすい方や多汗症の方は、汗冷えのリスクも抱えています。
たとえば、エアリズムが濡れた状態でエアコンの効いた部屋に入るとします。
すると、濡れたエアリズムが身体を冷やし、体調不良や風邪を引き起こすおそれがあるのです。
【特徴②】ゆったりした服を好む
ゆったりした服を好む人も、エアリズムと相性がよくない可能性が考えられます。
エアリズムは身体にフィットすることで、汗を素早く吸収し効率的に乾燥させます。
しかし、ゆったりした服を好む人は、エアリズムもゆったりしたサイズを購入する場合があります。
そのため、エアリズムの効果を発揮できず、汗を吸わない可能性があるのです。
エアリズムの汗が吸わない場合の対策方法
それでは、エアリズムと相性がよくない人は、どのようにすればよいのでしょうか。
ここからは、エアリズムが汗を吸わないことに困っている方のために、対策方法をお伝えします。
【対策方法➀】柔軟剤を使用せずに洗濯する
柔軟剤を使用せずに洗濯することで、エアリズムの汗を吸わない状態を軽減する効果が期待できます。
それは、柔軟剤を使用せずに洗濯することで、エアリズムが本来の機能を発揮する可能性が考えられるためです。
ただし、柔軟剤を使用しない場合、衣服のゴワつきが強くなり、着心地が悪くなるかもしれません。
そこで、柔軟剤を使用しない代わりに以下の方法を試してみるとよいでしょう。
酢・クエン酸を入れる
洗濯の際に、酢やクエン酸
を投入することで、衣類のゴワつきが軽減されます。
それは、洗濯水のpHバランス(液体の酸性・アルカリ性の度合いを表す指標)が整えられるためです。
そもそもゴワつきは、衣類がアルカリ性に対して過敏に反応することに起因しています。
衣類がアルカリ性に反応すると、繊維が硬くなりゴワつきを感じるのです。
一般的に、洗濯洗剤はアルカリ性に対して、柔軟剤は弱酸性です。
柔軟剤を使用することで、洗濯水は中性あるいは弱アルカリ性に保たれます。
しかし、柔軟剤を使用せずに洗濯すると、洗濯水はアルカリ性に偏ります。
その結果、衣類がゴワつくのです。
そこで、酢やクエン酸
を使用します。
酢やクエン酸は酸性です。
それらを使用することで、洗濯水が中和されアルカリ性への偏りを防ぎます。
酢を使用した洗濯方法については「洗濯物でお酢を柔軟剤代わりに使ってみた!」、クエン酸を使用した洗濯については「クエン酸を柔軟剤代わりに使う洗濯方法と注意点 柔軟剤を手作りする方法もご紹介」で詳しく説明されています。
併せて見てみてください。
陰干し
エアリズムを干す際、陰干しを行うことも柔軟剤を使用しない代わりに対策法になります。
天日干しの場合、太陽の光や熱を受けるため、衣類が急速に乾燥します。
とりわけ夏は、強い紫外線により過乾燥しやすくなるのです。
過乾燥は、ゴワつきの原因となります。
対して、陰干しは直射日光や高温の環境から衣類を保護します。
そのため、衣類の水分がゆっくりと蒸発します。
それにより、湿度が衣類に残り、過乾燥せずに柔らかさをキープする効果があるのです。
天日干しの時間を短くする
陰干しをすると、室内の湿度が高くなるため、どうしても天日干しにしたい方もいるでしょう。
そのような方は、天日干しの時間を短くしてみてください。
実は、衣類は乾いていてもわずかな水分が含まれています。
しかし、長時間の天日干しは、僅かな水分も蒸発させ、過乾燥でゴワつきを誘発させます。
天気がよい日の天日干しの場合、エアリズムは1~2時間程で十分乾くことが多いです。
ですので、2時間後に触って乾いていれば室内に取り込みましょう。
酸素系漂白剤を使って漬けおき洗い
柔軟剤を使用しないと、汗の臭いが気になるかもしれません。
そこで、オキシクリーンやワイドハイターEXパワー
などの酸素系漂白剤
を使った漬け置き洗いも一案です。
酸素系漂白剤には、過炭酸ナトリウムが含まれており、水に溶けると活性酸素が発生します。
その活性酸素によって、汗の臭いの原因となる菌や汚れが分解・除去されるのです。
そのため、酸素系漂白には根本的に臭いを消す効果があります。
酸素系漂白剤を使用した漬けおき洗いについては「エアリズムから汗のにおいが?原因とおすすめの洗濯方法」で詳しく説明されています。
併せて見てみてください。
【対策方法②】メッシュ素材のエアリズムに代える
メッシュ素材のエアリズムに代えることも、汗が吸わない場合の対策方法になり得ます。
メッシュ素材は、速乾性に優れている傾向にあるためです。
エアリズムには、以下2つのメッシュ素材が存在します。
【メンズ用】エアリズムマイクロメッシュ
エアリズムマイクロメッシュは、細かく編まれた繊維のメッシュ構造によって、空気の通り道が形成されています。
そのため、通気性が高く蒸れにくいのが特長です。
汗をかきやすい方や多汗症の方におすすめと言えるでしょう。
また、エアリズムマイクロメッシュはストレッチ性にも優れています。
身に着けていることを忘れるほど軽やかな着心地があります。
そのため、ゆったりとした服が好きな方にもおすすめです。
【関連記事】「エアリズムマイクロメッシュ」を着てみたら清涼感も着心地も最高だった
【メンズ用】エアリズムデオドラントメッシュ
エアリズムデオドラントメッシュは、エアリズムマイクロメッシュより消臭力が高いアイテムです。
汗をかきやすい方や多汗症の方で、汗の臭いが気になる方におすすめです。
【対策方法③】綿混インナーに代える
メッシュ素材だけでなく、綿混素材のインナーに代えることも対策方法になります。
綿混とは、綿(コットン)と他の繊維を混紡した生地のことを指します。
綿は、汗を効果的に吸収するメリットがあります。
そのため、エアリズムに比べ、汗を吸わない状態を防ぐことができます。
ですので、以下に挙げる綿混インナーに代えることで快適に過ごせることが期待できます。
【メンズ・レディース用】エアリズムコットン
エアリズムコットン(メンズ・レディース)は、内側はエアリズム素材、外側はコットンで作られた一枚二役のアイテムです。
従来のエアリズムは、主にインナーとしての機能を持っていたので、コットン素材のTシャツやシャツを重ね着する必要がありました。
しかし、一枚二役のエアリズムコットンは1枚で着用しても問題なく、重ね着の手間を省くことができます。
また、1枚で着用しても問題ないようなサイズ感で作られているため、通常のエアリズムのようなフィット感がありません。
ゆったりとした服を好む方に、エアリズムコットンはおすすめと言えるでしょう。
【関連記事】エアリズムコットンクルーネックTシャツ(半袖)をレビューしてみた!
【メンズ・レディース用】さらっと綿インナー(無印良品)
「無印良品」から販売されている「さらっと綿インナー(メンズ・レディース)」は、コットンとレーヨンの生地でつくられており、シルクのようななめらかな肌触りです。
吸放湿性(水分の吸収・放出力)が高く1日中蒸れにくいのが特長です。
ですので、汗をかきやすい方や多汗症の方に「さらっと綿インナー」は、おすすめのアイテムです。
【メンズ用】インティー(グンゼ)
グンゼから販売されている「in.T」は、綿とポリエステルの混紡生地で作られています。
吸水性の高い綿が生地に含まれているため、汗による不快な張り付きを防ぎ、快適な着用感があります。
また、速乾性に優れているポリエステルによって、「in.T」に染みた汗がトップスに移ることが軽減されます。
特にトップスに汗が映りやすい部位は、脇ではないでしょうか。
「in.T」は、三層構造の脇汗パッドがついているので、脇汗でトップスが濡れるのが気になる方におすすめです。
なお、「in.T」はインナー襟、袖口、裾の縫い目がないカットオフ仕上げになっています。
ですので、Yシャツなどのインナーに着用しても、ラインが目立ちません。
Yシャツのインナーをお探しの方にも、「in.T」はおすすめです。
「in.T」の詳細なレビューは、『グンゼのTシャツ専用インナー「in.T」を着てみた!ユニクロのエアリズムとも比較!』で紹介しています。
興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
【レディース用】エアリズムアセトリキャミソール
エアリズムアセトリキャミソールは、脇に汗取りパッドが付いています。
汗取りパットは、片面がメッシュ素材でできており厚みがありません。
そのため、フィット感のあるトップスを着用しても、汗取りパットのラインがひびくことを心配する必要はありません。
また、肩紐にアジャスターが付いているため、脇に汗取りパッドがフィットしない場合は長さの調節が可能です。
脇汗が気になる女性に、エアリズムアセトリキャミソールがおすすめと言えるでしょう。
【レディース用】フィッテクール(グンゼ)
「Fitte COOL(フィッテクール)」は、グンゼの夏向けインナーウェアブランド「KIREILABO(キレイラボ)」から販売されています。
「フィッテクール」は、汗を素早く吸収・拡散・乾燥させる「クールドライ」機能と、紫外線から肌を守る「UVカット」機能を備えたインナーウェアです。
女性にとって嬉しい機能が多く備えられています。
気になる脇や下乳の汗ムレを防ぐ効果も期待できます。
ネット上では、エアリズムのブラトップは蒸れて汗を吸わなくなる、という声が散見されます。
ですので、エアリズムのブラトップが汗を吸わないと感じている方は、「フィッテクール」のアイテムが適しているかもしれません。
以下がおすすめの「フィッテクール」アイテムです。
■ノンワイヤーブラジャー
生地に触れるとひんやりする接触冷感素材が採用されており、カップ部分は通気性が高いのが特長です。
下乳などの胸周りの汗ムレ防止を期待できます。
■ブラタンクトップ・ブラキャミソール
接触冷感素材が使われており、カップ部分の通気性がよくなっています。
カップ部分は、一体化したモールドカップが採用されており、サイドに流れがちなバストラインがしっかり整えられます。
バストラインを気にする方の大きな味方になってくれるのではないでしょうか。
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最後に
エアリズムが汗を吸わない原因は、以下の2つが考えられます。
1つは、短時間で大量の汗をかいた場合に、蒸発が追いつかないことです。
もう1つは、柔軟剤の使用によって吸収性が低下することです。
特に、汗をかきやすい人や多汗症の方、ゆったりした服を好む人がエアリズムを着ると、汗を吸わない状態に陥る傾向にあります。
本記事では、エアリズムが汗を吸わない問題に対する対策方法を3つご紹介しました。
エアリズムが汗を吸わないとお悩みの方は、ぜひそれらの対策方法を試してみてください。
本記事がみなさんにとって快適な夏の過ごし方の一助となり、満足していただければ幸いです。
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