「古着の魅力が分からない」
「古着のよさが分からない」
「古着は意味分からん」
ネットの情報を見ると、以上のような古着に対する疑問が増えているのを感じます。
それもそのはず。
現在、古着が再注目されています。
調査会社の矢野経済研究所の調べによると、国内ファッションリユース市場規模は、下のグラフの通り増加傾向にあります。
引用元:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2395
そもそも古着とは、誰かが着古した衣服のことを指します。
そのため、小汚いイメージがありました。
にも関わらず、なぜ今、古着は人気になっているのでしょうか。
僕が古着に目覚めたのは、約20年前です。
好きが高じて、古着屋で働いたこともあります。
そんな古着好きで、古着屋でも働いたことがある僕が、古着の魅力を中心にお伝えしていきたいと思います。
古着の魅力
古着には、以下7つの魅力が挙げられます。
【魅力①】周りと被らない
古着は、人と被らないのが魅力です。
現在、アパレルショップに陳列されている衣類は、トレンドを汲んだデザインで作られています。
売るために、トレンドを追ったラインナップになっているのです。
そのため、ディテール(ボタン・刺繍などのデザイン、襟元・ポケットの形など)が似ています。
一方、古着は、以下のような要素があるため、周りとは被らないのです。
・過去の歴史の中で流行ってきたデザインや、その時代ごとに必要とされてきた要素が反映されている
・1990年以前は、同じ衣類が大量生産さるケースが少なかった
例えば、以下の画像はミリタリージャケットの人気モデル「MA-1」の古着です。
作られた年代によって色やディテール、ワッペンの有無等が異なります。
このように古着は、モデル一つとってみても1点1点が異なり、周りと被らないのです。
【魅力②】個性を出しやすい
周りと被らないだけでなく、個性を出しやすいのも魅力です。
現在の古着は、アメリカやヨーロッパ、南米、日本のアイテムも販売されています。
色んなジャンルの服が手に入るので、自分のやりたいファッションを実現しやすくなっているのです。
それが古着の個性の出しやすさに繋がっています。
【魅力③】色褪せない
古着は、色褪せないのも魅力です。
現在のアパレルショップで販売されている衣類のデザインは、どこも似たり寄ったりです。
そのデザインが多くの人にとっての共通認識になっているため、数年後に着ると流行に遅れている感が出てしまいます。
しかし、古着は大量生産が行われていないケースが多いため、その共通認識がありません。
そのため、いつ着ても流行に遅れている感がなく、色褪せることがありません。
【魅力④】高価だった服を安く手に入れられる
一般的に、高価な服は長持ちし、安い服は長持ちしない傾向にあります。
ですが、古着に関しては、それが覆されます。
高価だった服が安く手に入ります。
つまり、長持ちする服を安価で買えるのです。
例えば、新品の本革レザージャケットは安くて40,000〜50,000円です。
一方、古着の本革レザージャケットは、5,000円から手に入れることが出来ます。
【魅力⑤】歴史的背景に触れることが出来る
古着を通して、歴史的背景に触れることが出来るのも魅力です。
それは、ファッションの流行が一定程度、社会と連動しているといわれているためです。
例えば、60年代、80年代後半に流行したミニスカートは、それぞれ高度経済成長期とバブルの時期と被ります。
また、10年代前半に流行したモノトーンは、東日本大震災後の暗い心理状態が反映されているといわれています。
【魅力⑥】多様な系統のファッションが楽しめる
古着と一口にいっても、ミリタリーやワーク、ストリート等、様々な系統の衣類が存在します。
そのため、多様な系統のファッションを楽しめるのも、古着の魅力です。
【魅力⑦】ルールに縛られないコーディネートが適う
古着は、ルールに縛られないコーディネートが適います。
一般的なコーディネートは、「こうしたらオシャレに見える」という型にハメる傾向にあります。
一方、古着は様々な系統の衣類が存在する以上、コーディネートを何かの型にハメるという考えが前提にありません。
僕が古着屋で働いていた時、スタッフはみんな自由な発想で古着を着ていました。
そこに、「ダサい」という概念はなく、それぞれが自分なりのファッションを楽しんでいました。
ファッションを楽しむことを重視しているため、個性が尊重されるのです。
そのため、古着はルールに縛られないコーディネートが適うのです。
古着が人気になっている理由
冒頭のグラフで紹介したとおり、なぜ古着は人気になっているのでしょうか。
それは、以下の2つが影響していると考えられます。
【理由①】SDGs
1つ目の理由は、SDGs(エス・ディー・ジーズ )の影響があると考えられます。
最近、SDGsがメディアで紹介される機会が増えているので、聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で持続可能な17の開発目標を意味します。
その目標のうち、「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」といった、環境問題の解決に関する目標があります。
そこで注目されたのが、リサイクルの側面を持つ古着です。
以前まで、古着と聞くと小汚いイメージを持つ方が多かったのではないでしょうか。
しかし、SDGsの推進により、古着を着ることは、環境問題の解決に参加している、という付加価値がつきました。
それにより、古着は小汚いイメージからクリーンなイメージに変化していると考えられます。
それが追い風になり、古着は人気になっているのではないでしょうか。
【理由②】価値観の変容
価値観の変容も、古着人気の理由に挙げらるのではないでしょうか。
以前のファッションは、流行りに乗ることに価値が見出されていました。
しかし、時代の移り変わりとともに、ファッションの流行は多様化してきています。
そのため、「流行を追いかけていればいい」といった画一的な価値観からは変容しています。
そこで、重要視されるようになったのが「自分らしさ」です。
古着には、流行りやジャンルに関係なく、様々な衣服が存在します。
選択肢が多いため、自分らしさを探すには格好のフィールドなのです。
「流行の追いかけ」に価値を感じていた時代から「自分らしさ」が重視される価値観に変化した結果、古着の人気に繋がったのではないでしょうか。
古着が販売されているショップの種類
最後に、古着が販売されているショップを紹介します。
古着は大きく分けて以下2種類のショップで販売されています。
古着屋
古着屋とは、いわゆる年代物の希少な古着が販売されているショップのことを指します。
古着屋の具体的な特徴は以下が挙げられます。
・バイヤーが買い付けを行っている
・アメリカ・ヨーロッパから直輸入したアイテムが中心に取り揃えられている
・アメカジやミリタリー、トラッド等、ジャンルが幅広い
・内装が個性的
いわゆる古着と呼ばれているのは、この古着屋で販売されている衣類のことを指します。
ですので、既述の古着の魅力を感じたい方は、古着屋に行くことをオススメします。
東京であれば、下北沢や吉祥寺、高円寺等に古着屋が多く存在します。
リサイクルショップ
リサイクルショップとは、近年販売されたファッションアイテムの中古品が販売されているショップのことを指します。
リユースショップとも呼ばれています。
リサイクルショップでは、お客さんから買い取ったアイテムが中心に販売されています。
そのため、ノーブランドからハイブランドまで幅広い商品が取り揃えられています。
トレンドアイテムが安価に手に入れられるのが魅力的です。
終わりに
古着の魅力について理解は深まりましたか?
近年、古着が売っている古着屋やリサイクルショップも増えているように感じます。
ですので、以前より古着に触れやすくなっていると考えられます。
古着は知れば知るほど面白い”世界”です。
本記事を機に、古着のディープな世界の触れてみてはいかかでしょうか。