新日本プロレスは、コロナ禍でありながらも来年の1月4日と5日の2日間、東京ドームで「レッスルキングダム」を開催します。
今勢いのある選手たちを中心にタイトルマッチやスペシャルシングルマッチが組まれていますが、その中で、僕はある選手に注目しました。
それは、グレート―O―カーンとシングルマッチが組まれた棚橋弘至です。
注目した理由は、他の選手と違いピークアウトしている、という点です。
棚橋がメインイベントで試合する機会が減り、ベルト戦線からも遠ざかっているのは誰の目から見ても明らかです。
そんな棚橋は、なぜ無冠でありながら、年間最大ビックマッチの「レッスルキングダム」でシングルマッチが組まれるのでしょうか。
棚橋に勝利することで得られる箔を求める
それは、対戦相手が、棚橋とのシングルマッチに勝利にすることで得られる箔を求めているからでしょう。
棚橋といえば、IWGPヘビー級王座の戴冠回数8回、G1クライマックスに3回優勝するなど、数々の記録を残してきました。
それだけでなく、集客に苦しんできた新日本プロレスを支え、V字回復をさせてきた功労者でもあります。
今では、そんな棚橋に勝つことが、一種の肩書きになっているのです。
事実、棚橋超えを果たしたレスラーは、新日本プロレスのトップに君臨しています。
箔を付けてスターダムに駆け上がったレスラーたち
例えば、オカダ・カズチカとジェイ・ホワイトがその代表例です。
2012年2月、海外修行から凱旋帰国したばかりのオカダ・カズチカは、IWGPヘビー級王座の連続防衛記録を更新中で、一強時代を築いている棚橋に挑戦をし、勝利を収めました。
のちに”レインメーカーショック”と呼ばれた、その勝利をきっかけに、オカダは一気に新日本プロレスのスターダムに駆け上がっています。
また、ジェイ・ホワイトは2019年、当時IWGPヘビー級王座の棚橋の勝利したことで、押しも押されもせぬ存在になり、2021年1月5日の「レッスルキングダム」ではメインにイベントを飾ります。
これらの前例があるだけに、棚橋に勝つという事実が、新日本プロレスの頂点への通行手形になっているのではないでしょうか。
それについては、棚橋自身も自覚があるようで、「レッスルキングダム」の第2弾対戦カード発表記者会見で「(海外修行から)凱旋帰国した選手の、踏み台どころかジャンプ台になっている」という言葉を残しています。
今後も棚橋は東京ドームに出場し続けられる
今後も、棚橋は「レッスルキングダム」には出場し続けられるでしょう。
それは、どんなに膝の調子が悪くなりリング上で痛々しい姿を見せたり、新日本プロレスの頂点から遠ざかったとしても、棚橋が築き上げてきた過去は、まごうことなき事実だからです。
当分の間は、棚橋に勝つことでしか得られない箔を求め、棚橋にシングルマッチを表明するレスラーが出現し続けるでしょう。
【次回予告】
次回は、新日本プロレスがコロナ禍で得た成果について触れていきます。