2020年10月16日、G1クライマックスの公式戦、オカダ・カズチカ対ウィル・オスプレイ戦でのこと。
突如、謎の女性が乱入し、「あの女は誰なんだ!?」と話題をさらいました。
その女とは、女子プロレス団体「スターダム」で活躍する選手、ビー・プレストリーでした。
なぜ、ビーはオスプレイと行動を共にするのか、オスプレイとはどんな関係なのか、新日本プロレスファンにとっては謎の多い、ビー・プレストリーについて深掘りしていきたいと思います。
来歴
まず、ビー・プレストリーの来歴を振り返っていきましょう。
ビーは、1996年3月22日生まれの、現在24歳。
イギリスのイングランドのヨーク出身です。
ビーは、プロレスデビューをする以前から、オスプレイと知り合っていました。
ビーは、オスプレイの指導を受けたのち、2012年にプロレスデビューを果たします。
イギリスのProgress WrestlingやWCPW(What Culture Pro Wrestling)などを主戦場にします。
2017年10月、スターダムの「ゴッデス・オブ・スターダム〜タッグリーグ戦〜」に参戦するため初来日。
同リーグ戦にケリー・クレインとのタッグで出場し初優勝、幸先のよいスタートを切ります。
翌2018年4月、スターダムドラフト会議で紫雷イオから指名され、クイーンズ・クエストの一員になります。
同月、「シンデレラトーナメント」では準優勝します。
翌2019年5月、花月が保持するスターダムの至宝、ワールド・オブ・スタダーム王座に挑みます。
初挑戦ながら勝利し、第11代王者に君臨します。
同月、スターダム所属になることを発表し、日本を主戦場にすることを決心をします。
また、並行して旗揚げの米国新団体AEW(オール・エリート・プロレスリング)と、契約したことを発表しました。
同年7月、AEWのPPVにて東京女子プロレスの中島翔子とタッグを組み、ブリット・ベイカー、里歩と対戦し勝利を収めています。
翌2020年1月、大江戸隊のジェイミー・ヘイターと越境タッグを組み、ゴッデス・オブ・スターダム王座に挑戦します。王者のジャングル狂女&小波組を破り、第17代王者に就きます。
同月、岩谷麻優とのワールド・オブ・スターダム戦に破れたクイーンズ・クエストのリーダー・渡辺桃に、決別のカミゴエを喰らわします。
そして、所属するクイーンズ・クエストを裏切り、ヒールユニットの大江戸隊に寝返ったのです。
同年10月、空位になったSWA王座を渡辺桃と争います。
見事、勝利し第7代王者に就きます。
得意技
ビーは、身長170cm・体重64kgという、現在の女子プロレスラーの中では大柄と言える体格を活かた戦いを展開した得意技を持っています。
現在のフィニッシュ・ホールドは、豊田真奈美のジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス・ホールドと同型の技「クイーンズ・ランディング」です。
以前は、四つん這いになっている相手の後頭部をかかと落としの要領でマットに叩きつける「カーブ・ストンプ」をフィニッシャーとして使用していました。
なお、カミゴェやランニング・ハイ・ニーキックなどの、膝蹴り系の技も得意としています。
タイトル歴
ビーは、来日してわずか3年ながら、以下の通り数々のタイトルを保持してきました。
・第11代ワールド・オブ・スターダム王座
・第17・19代ゴッデス・オブ・スターダム王座(パートナーは第17代がジェイミー・ヘイター、第19代が小波)
・第24代アーティスト・オブ・スターダム王者(パートナー は刀羅ナツコと鹿島沙希)
・第6代SWA世界王座
・第7回ゴッデス・オブ・スターダム〜タッグリーグ戦〜優勝
海外に太いパイプを持つロッシー小川によって、スターダムにはトニー・ストームやバイパーなど、数々の強力な外国人選手が参戦してきましたが、これほど多くのタイトルを奪取している外国人選手は存在しませんでした。
そのため、ビーは、スターダムで”最強外国人”として名を馳せています。
また、海外マットでは、WCPW女子王座とWOS女子王座の戴冠歴があります。
ビーはオスプレイと交際している
そんなビーは、なぜ新日本プロレスで、オスプレイと行動を共にしているのでしょうか。
ビーが乱入した試合後、オスプレイは「俺の美しいガールフレンド、ビー・プレストリーだ」と紹介をしています。
実は、ビーはオスプレイと交際をしているのです。
以前からオスプレイのSNSには、ビーが頻繁に登場していました。
なので、交際関係にあることを知っている方も少なくなかったでしょう。
ビーは、2019年にオスプレイが日本に移住するタイミングで、活動拠点を日本に移しています。
ビーとオスプレイのSNSには、自宅での仲睦まじい様子が投稿されているため、同居していると考えられます。
度々、オスプレイはスターダムの道場に足を運び、指導していた様子もSNSでは散見されていました。
星輝ありさには、オスカッターを伝授したという経緯もあります。
ビーの参戦から見えてくる新日本プロレスの未来
さて、ここ数年、他団体の選手は新日本プロレスには上がっていません。
にも関わらず、なぜビーは、新日本プロレスのリングに上がれているのでしょうか。
オスプレイのガールフレンドという理由だけでは、上がれないでしょう。
これは、スターダムが、新日本プロレスと同じブシロード傘下になったからでしょう。
思えば、ブシロードのオーナー・木谷氏は、「お祭り的なイベントではスターダム選手の新日本プロレス参戦はありえる」と言及しており、「あとは、ファンの反応や業界の流れ次第」と、スターダムの選手と新日本プロレスの選手の絡みがあることに含みを持たせていました。
海外のプロレスイベントでは、男女両方の試合が組まれることが珍しくありません。
プロレスに限らずUFCやRIZINには、当然のように女子部門があります。
事実、日本国内においても、DDTプロレスリングをはじめ、多くのプロレス団体で男女混合の試合が行われています。
そんな時流において、男性のみでリングを席巻したまま世界進出を続けると、いずれファンから「なぜ女子の試合がないんだ」という疑念が生じるのではないか、と木谷オーナーは懸念していました。
これまで、スターダムと新日本プロレスの絡みは、東京ドーム大会の第0試合で行われたスターダム提供試合のみで、それ以上の絡みはありませんでした。
しかし、ここにきて、ビーの新日本プロレス参戦。
これはきっと、ファンに一石を投じたのでしょう。
まずは対戦カードには入れず、セコンド&乱入というかたちで、ビーを新日本プロレスに投入し、ファンの様子をうかがっていると考えられます。
ファンの反応次第では、今後、ビーが対戦カードに組まれる可能性が考えられます。
オスプレイが率いるユナイテッド・エンパイアと抗争する誰かが、乱入するビーを煙たがる。
それに怒ったビーが、対戦要求し、カードが組まれる。
これが、新日本プロレスの男女混合時代の幕開けの既定路線ではないでしょうか。
だからこそ、男性レスラーとも見劣りせず、新日本プロレスファンから反感を買われにくそうな最強外国人のビーが、新日本プロレス参戦に白羽の矢が立ったと予想されます。
そう遠くない未来、新日本プロレスで男女混合で試合が行われると言い切っていいでしょう。