スニーカーの靴底が剥がれてしまったら、すぐに新しい靴を買おうと考えるかもしれません。
しかし、実は自分で簡単に修理できる方法があるんです。
この記事では、専門的な知識がなくてもできる、スニーカーの靴底を自分で修理する方法などを詳しく紹介します。
ぜひ、あなたのスニーカーをもう一度快適に履けるようにしましょう。
スニーカーの靴底の剥がれを自分で修理するメリット
スニーカーの靴底が剥がれても、すぐに捨てる必要はありません。
自分で修理することで、次のようなメリットが得られます。
■買い替えのコストを抑えられる
修理によって買い替え頻度が減るため、出費を抑えられます。
■愛着が深まる
自分で修理することで、スニーカーへの愛着がさらに強くなります。
スニーカーの靴底が剥がれる原因
スニーカーの靴底が剥がれてしまう原因にはいくつかの理由があります。
主に、次のような原因が考えられます。
【原因①】加水分解
画像引用元:シューケアマイスター
加水分解とは、素材が水分と反応して劣化する現象のことを指します。
スニーカーの靴底に使われているポリウレタンなどの素材は、湿気や時間の経過により加水分解が進行します。
その結果、上の画像のように靴底がボロボロになってしまうことがあります。
特に、長期間使用していないスニーカーに加水分解がよく見られます。
【原因②】接着部分の劣化
スニーカーを日常的に使用していると、靴底が徐々にすり減り、本来は均一だった接地面に歪みが生じてきます。
この歪みによって、靴底と甲の間の接着部分に不均一な力がかかり、一部では引っ張られ、別の部分では強く押しつぶされるため、通常以上の負担がかかってしまいます。
このような普段使いによる負担が日々積み重なると、接着部分が少しずつ弱くなっていき、やがて靴底が剥がれやすい状態になってしまいます。
【原因③】製造時の不備や低品質
製造時に接着が不十分だったり、品質の良くない接着剤や素材が使用されていたりすると、靴底が剥がれやすい状態で商品化されてしまいます。
このような問題は、特に価格を抑えた商品や、製造時の作業が不適切だった場合に起こりやすくなっています。
【原因④】過酷な使用環境
過酷な使用環境として、高温や多湿、泥などは靴底の剥がれを引き起こす原因となります。
接着剤は湿気や泥によって次第に弱くなり、高温によって柔らかくなることがあるためです。
自分で修理するために必要な道具
スニーカーの靴底剥がれを自分で修理するためには、以下の道具が必要になります。
それらは100円ショップで手軽に揃えることができます。
100円ショップで全て揃えれば、道具の費用は1,000円以下に抑えることができます。
■布やウェットティッシュ
接着前の汚れや油分をしっかり除去するために使用します。
■紙やすり
接着面を整えるために使用します。
■接着剤
靴専用接着剤や耐水性の瞬間接着剤がおすすめです。
アロンアルファやシューグーなど、強力な接着剤がおすすめです。
僕がスニーカーの靴底剥がれを自分で修理する際は、ダイヤボンドを使用しています。コスパがよいので個人的におすすめです。
■クランプ・ゴムバンド・重り
接着剤が乾燥する間、靴底をしっかり固定するためにクランプを使います。
クランプがない場合は、ゴムバンドや重りを利用しましょう。
■マスキングテープ
接着剤がはみ出しても、スニーカーの周囲を保護できるように使います。これにより、接着剤のはみ出しを防ぐことで、仕上がりを綺麗に保つことができます。
自分で修理する際の手順
スニーカーの靴底剥がれを自分で修理する際は、以下の手順で行います。
【手順①】清掃
布やウェットティッシュを使い、剥がれた箇所の汚れやほこりをきれいに取り除きます。
接着剤がしっかり密着するためには、清掃が欠かせません。
【手順②】やすりがけ
紙やすりで接着面を軽く削り、凹凸をなくして滑らかにします。
これにより、接着剤がしっかり密着し、修理の耐久性を高めることができます。
【手順③】接着剤を塗る
剥がれた箇所に接着剤を薄く均等に塗ります。
少量でも十分な接着力を発揮するので、量が多すぎないように注意しましょう。
【手順④】固定
修理部分を手で数秒間しっかり押し付けて初期固定を行います。
その後、クランプやゴムバンド、重りを使って10~15分ほど固定しましょう。
【手順⑤】乾燥
推奨される乾燥時間は24時間ですが、僕の経験上、12時間程度でも問題ありません。
ただし、より確実に接着剤を固定させるためには、24時間の乾燥時間を取るとよいでしょう。
損傷パターン別の修理
ここでは、スニーカーの損傷パターン別の修理について紹介します。
【パターン➀】靴底全体のはがれ修理
靴底全体が剥がれた場合も、アロンアルファやシューグーなどの強力な接着剤で修理が可能です。
全体的に接着面を清潔にし、接着剤を均等に塗るように心がけましょう。修理範囲が広いため、24時間程度乾燥させることを推奨します。
【パターン②】側面の剥がれ修理
上の画像のように側面が剥がれた場合も、靴底剥がれの修理と同様の手順で修理可能です。
【パターン➂】靴底の加水分解による劣化修理
スニーカーの靴底が加水分解によって剥がれている場合は、状態によって修理が可能かどうかが異なります。
靴底が部分的に剥がれている程度であれば、接着剤で簡易的な修理が可能です。
剥がれた部分に接着剤を塗り、応急処置を施しましょう。
一方、靴底が加水分解によって粉状に崩れていたり、剥がれ落ちるほど劣化していたりする場合は、自分で修理することは極めて難しいです。
ですので、「ミスターミニッツ」や「リアット!」などの靴の修理・メンテナンスを行っているリペアショップに依頼しましょう。
【パターン➃】つま先やかかとのすり減り修理
つま先やかかとのすり減りには、靴底補修用のゴムシートを使って修理することで対応できます。
ゴムシートは、すり減った部分に貼り付けることで耐久性を回復させる補修材です。
すり減った部分に合わせて、補修用のゴムシートを適切なサイズにカットし貼り付けます。
ゴムシートは、すり減った部分にぴったりとフィットするようにカットすることが大切です。
修理箇所を布やウェットティッシュで清掃し、ほこりや汚れを取り除くと、接着剤がより密着しやすくなります。
また、紙やすりで表面を軽く整えておくことで、仕上がりの精度が向上します。
プライマーの使用でさらに強力な接着が可能
より強力な接着を目指す場合は、プライマーの使用がおすすめです。
プライマーは、接着剤の密着力を高める下地剤です。
プライマーの使用手順は以下の通りです。
➀接着剤を塗る前に、プライマーを剥がれた部分全体に薄く均一に塗る
②プライマーが完全に乾燥した後に接着剤を塗る
➂既述の修理手順と同様、固定して乾燥する
【料金比較】自分で修理 vs リペアショップ
スニーカーの靴底が剥がれた際、自分で修理する場合とリペアショップに依頼する場合とでは、費用が異なります。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った選択をすることが大切です。
自分で修理する場合の費用
自分で修理する場合に必要な道具を揃える費用は、100円ショップやホームセンターでおよそ500円から1,000円程度になります。
さらに接着力を強化するためにプライマーを使用する場合は、追加で2,000円ほどかかります。
手軽で費用を抑えられる点が魅力ですが、作業には多少の手間がかかります。
リペアショップに依頼する場合
リペアショップに依頼する場合の費用は、一般的に2,000〜3,000円程度が目安です。
ただし、剥がれの範囲やスニーカーの種類、修理方法によって費用は変動します。
特に、高級ブランドや特殊な素材を使用したスニーカーの場合は、さらに高額になることがあります。
費用を抑えたい場合は、複数のリペアショップで見積もりを取り比較検討するのがおすすめです。
リペアショップに依頼すると費用は自分で修理する場合より高くなりますが、仕上がりの美しさや耐久性の面で優れている点が大きなメリットといえるでしょう。
リペアショップ体験談
僕はかつて、「PPFM」という現在は存在しないストリートブランドの3万円ほどの革靴を愛用していました。
この靴底が剥がれた際、過去に2〜3回修理に出したことがあります。
そのたびに修理費用は4,000〜5,000円程度かかりました。
現在では履く機会は少なくなったものの、修理を重ねたおかげで今でも履き続けることができています。
スニーカーを長く使うためのメンテナンス方法
修理後も、スニーカーを長持ちさせるためには、定期的なケアが欠かせません。
ここでは、スニーカーを長く使うためのメンテナンス方法を紹介します。
【メンテ➀】毎日の清掃を習慣にする
スニーカーを長く使うには、日々のケアが重要です。
外出から戻ったら、柔らかいブラシや湿らせた布で表面の汚れやほこりを優しく拭き取る習慣をつけましょう。
このケアで汚れが素材に染み込むのを防ぎ、スニーカーの耐久性が向上します。
【メンテ②】防水スプレーをかける
スニーカーの多くは、雨や湿気に弱い素材で作られているため、防水スプレーをかけるのが効果的です。
靴底に使われるポリウレタンやEVA(エチレン・酢酸ビニル)は、水分を吸収しやすく、湿気や水分にさらされると加水分解を起こして劣化しやすくなります。
防水スプレーを使って防水加工を施すことで、水分からスニーカーを保護し、耐久性を高めることができます。
【メンテ➂】保管環境を整える
スニーカーを長持ちさせるには、保管環境を整えることが重要です。
使用しないときは、加水分解が進むことを防ぐために湿気がこもらない通気性の良い場所で保管しましょう。
また、シューキーパーを使用することで型崩れを防ぐことができます。
天然皮革やスウェード素材のスニーカーは乾燥しやすいので、シューキーパーで型崩れを防ぐことで乾燥によるひび割れも予防できます。
まとめ
スニーカーの靴底が剥がれた時、多くの人は買い替えを選ぶでしょう。
しかし、実は自分で修理する方法を知っておくと、お気に入りのスニーカーを長持ちさせることができます。
自分で直せば修理代も節約できますし、愛着のある一足を大切に履き続けられる楽しみも味わえます。
また、修理を機に普段のお手入れ方法を見直してみると、スニーカーの寿命をぐっと延ばすことができます。
毎日少しずつケアする習慣をつければ、劣化を防ぎながら快適な状態を保つことができるのです。
スニーカーの修理とメンテナンスは、思ったよりもずっと簡単で効果的です。
この記事を読んで、あなたのスニーカーライフがもっと楽しくなることを期待しています。