サウナブームがきて久しいです。
「サ活」と呼ばれ、リラックスや健康づくりに役立つと知られています。
かくいう僕も、ブームに乗って週に1回はサウナに通っていました。
ただ、僕の場合は「高温サウナ+20度程度のぬるい水風呂」の組み合わせでないと、心からのリラックスを感じられません。
サウナがぬるかったり、水風呂が18度以下だったりすると、どうしても整いにくいのです。
そんなある日、お風呂と水風呂を交互に楽しむ人たちが一定数いることに気づきました。
「お風呂の後に水風呂?冷たくないのかな?」と最初は不思議に思っていました。
ある時、好奇心から試してみたところ、驚きの発見がありました。
「サウナ→水風呂」よりも「お風呂→水風呂」の方がずっと気持ちいい、ということに。
それ以来、僕はサウナ室には見向きもせず、お風呂と水風呂で至福のひとときを楽しんでいます。
もしかしたら、サウナが整いにくく、微妙に感じている方は少なくないのではないでしょうか。
本記事では、サウナと温冷交代浴の違いや、温冷交代浴をおすすめする人の特徴などについてお伝えします。
温冷交代浴とは
温冷交代浴とは、温かいお湯と冷たい水を交互に入浴することをいいます。
温冷交代浴は、古代ギリシャ時代から行われていたとする説もあり、歴史のある健康法です。
温冷交代浴はサウナと同様、「ととのう」を体感できます。
「ととのう」とは、心と体が深くリラックスしている状態のことを指します。
ととのった状態では、脳内で瞑想に近い状態が起こりに、β-エンドルフィンという快楽物質が分泌されているのです。
温冷交代浴の効果をざっくりまとめると、以下の点が挙げられます。
- 自律神経の乱れを整える
- 冷え改善
- 疲労回復
- 美容効果
- リラックス効果
- 良質な睡眠
温冷交代浴の効果についてもっと知りたい方は、コチラをご覧ください。
温冷交代浴とサウナの違い
温冷交代浴とサウナは、身体への効果はほぼ同じですが、体感に違いがあります。
サウナの場合、頭がスッキリ冴えるような感覚を得られます。
一方で温冷交代浴は、雲の上にいるようなフワフワとした心地よい気分に包まれるのです。
これは、まるでランニングと散歩の違いのようです。
ランニング後は、目が冴えるようなスッキリ感があります。
対して散歩の後は、心が穏やかになりリラックス感が広がります。
サウナがランニングなら、温冷交代浴は散歩といったイメージではないでしょうか。
どちらも気持ちがいい体感ですが、感じ方が全然違うのです。
温冷交代浴とサウナどっちがいい?
では、温冷交代浴とサウナはどちらがよいのでしょうか。
それは、人それぞれの状態によって異なります。
健全なサウナ事業の発展や育成などを目的に設立された「公益社団法人日本サウナ・スパ協会」が公表している内容によると、次のように分かれます。
●肉体疲労は高温サウナ浴
筋の疲れや全身疲労などスポーツや労働の後の疲れには、比較的高温のサウナに入ると効果的です。●ストレス解消はぬるめのサウナ浴
身体を余り使わないで頭や気を使っている人のストレスを解消するには、比較的ぬるめのサウナにゆっくりと入るのが効果的です。●感覚的症状には高温短時間浴
神経・感覚的疲労が高まると、肩がこる、腰がいたい、声がかすれる、まぶたがピクピクするなど、感覚的症状が出ます。こうした人のサウナは、刺激浴により自らの調節力を高めることが肝要です。●コンディションを整えるのは温冷交代浴
疲れた、早起きがつらい、食欲がない、仕事に熱中できない、眠りが浅く、ささいなことが気になってならない。しかし医学的検査を受けても、とくに悪いところもない。どうしたんだろうという現代人にとって、調子を取り戻すサウナ浴は温冷交代浴がよいでしょう。
引用元:公益社団法人日本サウナ・スパ協会「疲労回復のためのサウナ浴」より
現代人は、身体より頭を使うホワイトカラー労働者の割合が増加傾向にあります。
ですので、上記の「感覚的症状には高温短時間浴」「コンディションを整えるのは温冷交代浴」に該当する人が比較的多いと考えられます。
僕の場合は、「コンディションを整えるのは温冷交代浴」に当たるため、温冷交代浴を実践しています。
温冷交代浴をおすすめする人
温冷交代浴とサウナのどちらがよいかは、人それぞれの状態によって違うことが分かりました。
ここからは、私的観点から温冷交代浴をおすすめする人をお伝えします。
サウナが気持ちよくない人
サウナが気持ちよくないという人に、温冷交代浴がおすすめです。
僕の経験上、サウナや水風呂の温度が自分の好みと異なると、気持ちよくないと感じます。
例えば、サウナが自分の好みよりも低い温度だと、身体が温まらないように感じ、逆に高い温度だと不快に感じることがあります。
同様に、水風呂の温度が自分の好みよりも低いと、冷たくて長く入れず、満足感を得られません。
逆に高いと、物足りなく感じることがあります。
上記のようなケースでは、他の銭湯に行けば解決するかもしれません。
しかし、他に銭湯がないという場合は、今行っている銭湯に行くしかありません。
ですので、そういう方には銭湯を変えずに、温冷交代浴をすることをおすすめします。
費用を抑えたい人
「ととのう」ための費用を抑えたい人に、温冷交代浴がおすすめです。
スーパー銭湯であれば一律の料金ですが、銭湯では数百円程度のサウナ料金を別途徴収しているケースが多いです。
ですので、普段通っている銭湯のサウナ料金が費用的に気になる方には、サウナと同じ効果が期待できる温冷交代浴を試してみることをおすすめします。
近所に軟水の銭湯が近くにある人
近所に、軟水が採用されている銭湯がある場合はおすすめです。
多くの銭湯では硬水が使われているため、軟水は貴重です。
軟水は肌あたりがよいため、お湯が実際の温度より熱く感じません。
対して、水風呂は逆にぬるく感じます。
硬水と軟水では、体感温度が約2度ほど違うように感じます。
僕が通う銭湯のお湯の温度は47度です。
通常は熱くて入れないのですが、軟水だと熱さを感じにくくなり入ることができます。
また、水風呂は15度です。
僕の好みは20度のぬるめの水温です。
それでも、軟水なら15度でも一定時間浸かることができます。
結果として、温湯と水風呂の両方を楽しむことができ、整いやすいのです。
近所に軟水の銭湯がある方は、ぜひ試してみてください。
汗をかきやすい人
汗をかきやすい人にも温冷交代浴がおすすめです。
サウナでは多量の汗をかきます。
多量の汗をかくと腎臓に負担がかかります。
それは、『大量の汗をかくことで脱水状態になることがありますが、脱水状態では腎臓に行きわたる血液の量が減って腎臓の機能に悪影響を及ぼすことがある』ためです。
しかし、温冷交代浴ではサウナほど汗をかかないため、身体に優しいです。
僕がこれを気づいたのは、通っている鍼灸院での先生の一言がきっかけです。
鍼灸院の先生との会話は以下の通りです。
鍼灸師「あなたは体内の塩分が足りてないですね。皮膚がだらだらしていますね。サウナとか行ってます?」
僕「週1回行ってます。10分×4セットやっています。」
鍼灸師「あぁ、それが原因ですね。あなたは汗をかきやすいタイプなので、サウナに10分×4セットも入ると、汗をかきすぎてしまうんですよね。」
僕「サウナが必ずしも健康によいわけではないんですね。」
鍼灸師「そうですね。今サウナが流行ってますが、そもそもフィンランドが発祥です。なので、全ての日本人に合うとは限らないんですよね。」
僕のように汗をかきやすい体質の方は、サウナが合わない可能性が考えられます。
そのような方に温冷交代浴がおすすめです。
電磁波過敏症の方
電磁波過敏症の方には、サウナより温冷交代浴が適していると考えられます。
電磁波は、電場と磁場の相互作用によって伝わる波のことを指します。
スマートフォンやWi-Fiルーター、Bluetooth機器、電子レンジ、こたつなどの身近な電気製品から電磁波が発生しています。
電磁波が健康に及ぼす影響については科学的根拠は不十分です。
しかし、頭痛や疲労感、皮膚のかゆみ、睡眠障害などの症状が関連する可能性があるといわれています。
僕自身も電磁波によって、疲労感と皮膚のかゆみを感じることがあります。
特に電磁波を直で受ける電気毛布を使うと、明らかに皮膚のかゆみを覚え、翌日に疲労感が残ることが間々あります。
サウナでは電磁波の一種である遠赤外線が大量に放出され、室内が高温になります。
そのため、疲労回復を目的にしているのにも関わらず、かえって疲労感が残る場合があります。
みなさんの中にも同様の症状がある方は、電磁波過敏症の可能性があります。
そういった方にはサウナよりも温冷交代浴をおすすめします。
温冷交代浴のやり方ステップ
それでは、ここからは温冷交代浴のやり方のステップについて説明していきます。
【ステップ➀】温冷交代浴しやすい銭湯に行く
まずは、温冷交代浴をしやすい銭湯を選びましょう。
僕の経験上、以下のような銭湯が温冷交代浴がしやすいです。
・お湯の温度が43度以上
・水風呂の温度は15度以上
ただし、これは個人的見解のため、人によっては合わない可能性があります。
ですので、1つの参考程度に留めましょう。
【ステップ②】温かいお風呂に浸かる
選んだ銭湯に向かい、温かいお風呂に5~10分浸かりましょう。
ゆったりと体を温めて、リラックスします。
顔から汗がじんわり出てきたら湯舟から出てOKです。
【ステップ③】水風呂に入る
温かいお風呂から出て、冷たい水風呂に移りましょう。
そこに数分間入り、体を冷やします。
手足の先端から次第に冷えてきますが、長めに入りたい場合は、ドラえもんのように手をグーにすると末端が冷えにくくなり、より長い時間入っていられます。
【ステップ④】小休憩
水風呂から出たら、浴槽の縁などに腰をおろし小休憩を取りましょう。
この小休憩が、とてもととのいます。
適度な休憩時間は個人差がありますが、僕は10~20分ほど時間を取ることが多いです。
【ステップ⑤】②~④を繰り返す
ステップ②から④を2セット繰り返しましょう。
最初のセットでは熱さや冷たさを強く感じますが、2セット目からはその感覚が和らいでくるでしょう。
これがとてもリフレッシュできる心地よさなのです。
【ステップ⑥】最後に軽く温かいお風呂に浸かる
最後に軽く温かいお風呂に浸かります。
冷え性の方は、軽く温かいお風呂に浸かった後、冷たいシャワーを浴びて終えるのも一手です。
水で毛穴を引き締めることで、体内の熱が逃げにくくなるためです。
僕は水シャワーを浴びずに、温かいお風呂で終えるようにしています。
その方が、気持ちいいと感じるためです。
以上➀から⑥のステップを踏めば、最高に気持ちよい温冷交代浴を楽しめるでしょう。
ここでは銭湯での方法を説明しましたが、自宅でも冷たいシャワーを水風呂の代わりにして、温冷交代浴を行うことができます。
自宅で温冷交代浴を実践したい人は、「自宅で出来る温冷交代浴のやり方:効果・ポイント・注意点も解説」を参考にしてみてください。
まとめ
サウナと温冷交代浴は、温かさと冷たさを繰り返す点では共通していますが、感じる効果が異なります。
サウナはスッキリとした爽快感があり、温冷交代浴はフワフワとした心地よさを感じられます。
いずれもストレス解消や健康増進に一役買いますが、人のよってどちらが合うかは異なります。
ですので、自分にはどちらが合うかを探ることが大切です。
温冷交代浴は、現代のストレス社会に負担をかけられた身体を癒すきっかけになるかもしれません。
サウナに満足していない方は、一度温冷交代浴を試してみてはいかがでしょうか。