今や冬用インナーの代名詞にもなっているほど人気になっているユニクロのヒートテック。
寒い冬にはどうしてもヒートテックは欠かせないと思っている方は多いのではないでしょうか。
ただ一方で、このような声が増えています。
「冬になるとかゆい。」
実はそのかゆみ、ヒートテックが原因の可能性は否定出来ません。
そして、かゆみだけでなく背中や腕などに湿疹と思われるぶつぶつができる方も少なくありません。
なぜヒートテックが原因でかゆみなどが発生するのでしょうか。
本記事ではその原因と、かゆみに苦しむ方に向けた対策方法を紹介します。
これで、”冬のかゆみ”を回避しましょう。
ヒートテックを着るとかゆくなる原因
ヒートテックを着ると、かゆくなるのは以下に挙げる7つが原因と考えられています。
【原因①】肌の乾燥
肌が乾燥してかゆくなるのが原因の1つに挙げられます。
ヒートテックは、吸湿発熱繊維という暖かくなる機能が採用されています。
それにより、生地に含まれるレーヨンが体から発散される水分(水蒸気)を熱エネルギーに変換しているのです。
ただし、吸湿発熱繊維は肌に含まれている水分を奪うという性質も持っています。
その性質が肌の乾燥を助長させているのです。
ヒートテックを着たまま寝ると、次の日の朝かゆいことがあります。
それは、就寝中に肌の水分が奪われて肌が乾燥している可能性が考えられます。
乾燥した皮膚は外からの刺激に敏感になるため、かゆみに繋がりやすくなります。
【関連記事】ヒートテックが暖かくなる仕組み:その秘密は「吸湿発熱繊維」にあった
【原因②】肌への刺激
ヒートテックは「アクリル」「ポリエステル」「ポリウレタン」「レーヨン」と4つの化学繊維からつくられています。
いずれの素材も原料は石油です。
石油は、生物の成長、生殖、行動に関するホルモンの作用を阻害すると考えられています。
つまり、「ヒートテックを着る」=「石油を身にまとう」とも言え、肌が刺激されるのです。
その刺激がかゆみを生んでいる原因と考えられています。
【原因③】乾燥と刺激による負のスパイラス
ヒートテックを着ることによって起きる乾燥と刺激は、肌に対し下記のような負のスパイラルに陥りやすくなります。
「①肌が乾燥する」
↓
「②刺激に弱くなる」
↓
「③化学繊維の刺激を受ける」
↓
「④肌が荒れる」
↓
「⑤かゆくなる」
↓
「⑥掻く」
↓
「⑦刺激を受ける」
↓
④~⑦を繰り返す
上記の負のスパイラルがかゆみに追い打ちをかけている可能性があります。
【原因④】蒸れ
体の水分を奪う一方で、一定量以上の汗をかくとヒートテックと体表面の間で水分が充満して蒸れる場合があります。
すると、かゆくなる場合があります。
これは、ヒートテックの吸湿発熱繊維の吸水量に限界値があるためです。
限界値があるため、蒸れてしまうのです。
特に、腕・脚の関節、脇は蒸れやすい傾向にあります。
また、蒸れた状態が続くとあせもが発生し、さらにかゆみの原因になります。
とりわけ就寝時にヒートテックを着ると、汗を吸収出来ずムレとあせもの発生をつくりやすい環境をつくってしまいます。
【原因⑤】化学繊維アレルギー
「化学繊維アレルギー」が原因でかゆみが発生する方も珍しくありません。
ネックレスをすると肌が荒れる「金属アレルギー」と同様、
化学繊維に触れると異常が生じるのが「化学繊維アレルギー」です。
ただ、一口に化学繊維アレルギーと言っても、アクリルに過敏に反応する方もいれば、ポリウレタンで肌が荒れる方もいます。
反応する化学繊維の種類は人によってそれぞれです。
もし、気になる方は皮膚科等に行って診てもらった方がよいかもしれません。
【原因⑥】毛玉
毛玉の刺激が原因で、かゆみが発生している可能性も考えられます。
ヒートテックに使われているアクリルやポリエステルは、毛足が長い繊維です。
そのため、絡まりやすく毛玉の原因になってしまうのです。
【原因⑦】静電気
静電気の刺激によって、かゆみを誘発しているケースもあります。
ヒートテックに使われているポリエステルやレーヨンなどの化学繊維は、静電気が起きやすい性質を持っています。
そのため、ヒートテックを着ると静電気によって、かゆみを感じやすいのです。
【関連記事】ヒートテックの着用で発生する静電気を防止する対策方法8選
ヒートテックによるかゆみの対策方法
以上のような原因が考えられることから、
敏感肌の方やアトピー持ちの方などは、ヒートテックの着用は肌への負担が大きい傾向にあります。
肌の乾燥やかゆくを助長させたり、アトピーが酷くなったりするかもしれません。
何かしらの対策をした方がよいでしょう。
ではアトピー持ちの方や敏感肌の方は具体的にどのような対策をすればよいのでしょうか。
次の3つの方法があります。
・保湿ケアを行う
・ヒートテックの中に綿のインナーを重ね着する
・ヒートテックの代わりになるコットンの冬用インナーを着る
・ヒートテックの代わりになるウールの冬用インナーを着る
それぞれ見ていきましょう。
【対策①】保湿ケアを行う
まず保湿ケアを行うのが対策になります。
ヒートテックの吸湿発熱繊維は、肌の乾燥を助長させます。
ですので、肌を保湿することがかゆみ対策に繋がることが期待できます。
例えば、保湿クリームを塗る、保湿効果のあるボディソープ
を使用する、保湿入浴剤
を使って入浴するなどが保湿ケアに挙げられるでしょう。
【対策②】ヒートテックの中にコットンインナーを重ね着する
次いで、ヒートテックの中にコットンインナーを重ね着する方法についてお伝えします。
この方法は、肌にヒートテックを直接触れさせないことでかゆみ等を防ぐ狙いがあります。
ただ、この方法はヒートテックが直接肌に触れることで発揮する保温効果が弱まることが考えられます。
この方法を試す方は、その点を留意しておきましょう。
【関連記事】Tシャツの上にヒートテックを重ね着すると効果激減!?正しく着る順番とは
さて、オススメのコットンインナーは次の2種類です。
【重ね着①】グンゼの「V型三分袖スリーマー」
グンゼから販売されている「V型三分袖スリーマー」は、コットン100%で作られているため肌に優しいです。
それだけでなく、脇に縫い目がなくネームタグもついていないため、極めて肌に優しいつくりになっているのです。
【重ね着②】ユニクロの「コットンシリーズインナー」
ユニクロの「コットンシリーズインナー(メンズ・レディース)」もコットン100%で脇の縫い目がないため肌にとても優しいです。
丈が長めにつくられており、パンツにインしやすいのが特長です。
【対策③】ヒートテックの代わりになるコットンの冬用インナーを着る
ヒートテックの代わりになるコットンの冬用インナーを着るのもかゆみ対策になります。
現在、様々なブランドからコットンの冬用インナーが販売されています。
それらの中から選ぶ際、肌に優しいコットンでつくられた冬用インナーをチョイスするのがポイントです。
コットンでつくられた冬用インナーは、主に以下の3種類があります。
・コットン100%
・肌面のみコットン
・コットンと化学繊維の混紡
かゆみ防止が発揮されるのは、コットン100%と肌面のみコットンの冬用インナーです。
とはいえ、コットンと化学繊維の混紡タイプでもかゆみの軽減は期待できます。
それぞれの種類でおすすめする冬用インナーは、次の通りです。
ヒートテックの極暖シリーズからも、それらに当たる種類があるので併せて紹介します。
コットン100%
コットン100%でつくられたおすすめの冬用インナーは以下の通りです。
グンゼの「シーファーさわやか綿100%」
グンゼから販売されている「シーファーさわやか綿100%」は、その名の通り、綿100%でつくられています。
着心地がよく耐久性にも優れています。
厚手の生地でつくられているので着ると温もりを感じられます。
レディース商品のため、男性が購入する場合は通常買っているサイズより1サイズ大きいのを購入した方がよいでしょう。
グンゼの「快適工房 ケアトリスムース」
同じく、グンゼから販売されている「快適工房 ケアトリスムース」も暖かさを発揮します。
「快適工房 ケアトリスムース」は、薄い裏起毛がついているため着ると暖かいです。
生地自体も柔らかいため着心地の良さも特長に挙げられるでしょう。
「シーファーさわやか綿100%」と同様、レディース商品なので男性の方はワンサイズ大きいサイズを購入しましょう。
グンゼの「ホット・オン・コットン」
メンズ用になりますが、グンゼから販売されている「ホット・オン・コットン」もおすすめです。
『綿が本来持つ湿気を吸収して発熱する機能を最大限に活かし、自然で心地よい温もりを実感できます。』(引用元:グンゼ「商品説明」より)
グンゼの「ホットマジック」
メンズ用になりますが、グンゼから販売されている「ホットマジック」もおすすめです。
『もともと綿素材が持つ吸湿発熱性をさらに高めた綿を使用し、自然なぬくもりであたためます。』(引用元:グンゼ「商品説明」より)
無印良品の「あったか綿インナー」
無印良品から販売されている「あったか綿インナー(メンズ・レディース)」は、肌へのフィット感がよく伸縮性があるのが特徴です。
ですので、着心地が抜群です。
肌面のみコットン
肌面のみコットンでつくられたおすすめの冬用インナーは以下の通りです。
イオンの「ピースフィット」
イオンで販売されている「ピースフィット」は、生地の外側がポリエステルで出来ていますが、直接触れる内側が綿でつくられているため肌に優しいです。
また、本記事で紹介するインナーの中で唯一、ヒートテックより安価です。
肌着ソムリエの「ファリーロ」
下着通販の肌着ソムリエから販売されている「ファリーロ」もオススメです。
ナイロンなどの化学繊維でつくられているものの、肌に触れる生地の内側は綿100%で出来ているため、肌が弱い方には嬉しい加工になっています。
ユニクロの「ヒートテックコットン」
ユニクロから販売されている「ヒートテックコットン(メンズ・レディース)」は極暖シリーズのうちの1つです。
ヒートテックコットンの機能である吸湿発熱効果をそのままに、肌の弱い人でも着れるよう、肌に触れる面がコットン100%になっています。
コットンと化学繊維の混紡
コットンと化学繊維の混紡タイプで、おすすめの冬用インナーは、ベルメゾンの「ホットコット」です。
ベルメゾンの「ホットコット」
ベルメゾンから販売されている「ホットコット」は、素材のうち95%は綿でつくられているため肌に優しく肌触りもよいです。
「化学繊維100%より2.6度あったか」をキャッチコピーにしており、”ヒートテックより暖かい”ということを暗にアピールしているのかもしれません。
メンズとレディース両方あり、豊富な色とデザインが取り揃えられています。
【対策④】ヒートテックの代わりになるウールの冬用インナーを着る
ヒートテックの代わりになるウールの冬用インナーを着るのもかゆみ対策になります。
コットンだけでなく、羊毛を原料につくられるウールも肌に優しい天然繊維です。
そんなウールからつくられているインナーが以下に挙げる2種類です。
【ウール①】モンベルの「スーパーメリノウール」
モンベルから販売されている「スーパーメリノウール」は、メリノ種の羊から採れるメリノウールからつくられています。
メリノウールは、ウールより暖かいことから、極寒の冬山を登る登山者などに愛用物が多いようです。
ただ、値段が5,000円以上するのがネックかもしれません。
【ウール②】グンゼの「ソフトローリングウール」
グンゼから販売されている「ソフトローリングウール」は、ウール100%の冬用インナーです。
地肌に直接触れるとチクチクしがちなウールですが、「ソフトローリングウール」はチクチクしないため着心地は抜群です。
終わりに
寒い冬に大活躍するヒートテックですが、人によってはかゆみや湿疹などの肌トラブルの原因になるケースがあります。
それは、保温効果に優れている反面、肌への負担が大きいというデメリットがあるためです。
肌の水分を奪って熱をつくる吸湿発熱繊維が採用されているため、通常肌の人には問題なくても、敏感肌や乾燥肌には相性がよくないのです。
敏感肌や乾燥肌、アトピーの方で、「冬になるとかゆい」という方は、ヒートテックの着用によって肌に大きなダメージを与えられているかもしれません。
もし「かゆみ」に苦しんでいるようでしたら、本記事で紹介した対策方法を採ってみてください。
「冬になるとかゆい」を回避出来るかもしれません。
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