「ヒートテックが暖かくない」
ユニクロのヒートテックを購入した人の中には、このような不満を口にする人は少なくありません。
冬用インナーのはずのヒートテックが、なぜ暖かくないのでしょうか。
その理由について説明していきたいと思います。
ヒートテックが暖かくなる仕組み
そもそも、ヒートテックはどのような仕組みで暖かくなるのでしょうか。
ヒートテックの生地は、下記に列記するの素材の割合でつくられています。
ポリエステル…34%
レーヨン…34%
アクリル…27%
ポリウレタン…5%
セーターの素材によく使われるアクリルをはじめ、冬物衣料によく使われる素材からつくられています。
ただし、それだけではありません。
ユニクロはこれらの素材を利用して、「吸着発熱」という暖かくなる仕組みをヒートテックに採用しています。
吸着発熱とは、繊維に吸収された水分を基に発熱することををいいます。
人間は、運動をしなくても1日0.8リットルの水蒸気を、体から発しているといわれています。
ヒートテックを着ると、その水蒸気を熱に変換させているため暖かくなるのです。
ヒートテックが暖かくないと感じる人の特徴
それにも関わらず、なぜ「ヒートテックが暖かくない」と感じる人がいるのでしょうか。
ヒートテックを約10年愛用している僕ですが、思い当たる点もあります。
それも踏まえながら、色々調査してみたところ、次のような方が「ヒートテックが暖かくない」と感じる傾向にあることが見えてきました。
外で長時間じっとしている人
保安員や警備員など、外で長時間じっとしている機会が多い人がヒートテックが寒いと感じるようです。
というのも吸着発熱は、動いた時に生じる肌と生地の摩擦によって起こります。
そのため、じっとしている状態では、吸着発熱は起こらないと考えられます。
僕もこれは実感しています。
ヒートテックを着ていても、外でじっとしていると寒いです。しかし、体を動かすと暖かくなります。
家を出て早歩きで最寄り駅まで歩いたら、電車に乗る頃には、暑くて仕方がなく巻いていたマフラーと取り、寒くて首元まで上げていたファスナーを下までおろすなんてことが間々あります。
その時、多くの吸着発熱が起きているのだと思います。
多汗症の方
ヒートテックは、吸着発熱を促すために吸水性に優れていますが、速乾性が低いのが弱点です。
ですので、一定以上の汗をかくと乾くまで時間がかかります。
多汗症の方は、水分の吸収が追いつかず、行き場を失った汗が肌や生地にまとわりつき、冷えの原因となっていると考えられます。
僕も冬にヒートテックを着て自転車に乗った際、背中が汗ばんできて、乾くまで冷たく感じた経験があります。
重ね着の枚数が少ない人
ヒートテックは、吸着発熱で保温効果を発揮しますが、外気の遮断はできません。
薄い生地でできているため、むしろ通気性がいいです。
そのため、ヒートテックの上にアウターだけ着るなど、枚数が少ないと、外気が忍び込んで、ヒートテックの保温効果を阻害する可能性があります。
実際、ヒートテックの上にニットを着た状態で外を歩ったら、スースーして寒かった経験があります。
重ね着は枚数が少ない人は、外気が遮断されず、「ヒートテックを着ているのに暖かくない」と感じるようです。
暖かくないと感じる人向けの冬用インナー
では以上に該当する人は、ヒートテックを着ない方がよいのでしょうか。
ヒートテック以外にも冬用インナーはあります。
ヒートテックが暖かくないと感じる方は、それに固執せず次の特徴がある冬用インナーを検討した方がよいかもしれません。
綿が使用されている
綿は吸水性が抜群なので、一度に吸水出来る量が多く、汗で濡れる懸念が少なく済みます。
多汗症の方は、綿が使用されている以下の冬用インナーをオススメします。
商品名 | 販売元 | 綿の割合 |
ホットコット | ベルメゾン | 95% |
ホットマジック | グンゼ | 95% |
エコヒート | 西友 | 45% |
ファイバーヒート | しまむら | 10% |
ベルメゾンからホットコットは、下記に列記する『モノダス2014』(晋遊舎)で発表された、主要の冬用インナーの保温性評価のトップに選ばれています。
1位 評価A 【ベルメゾン】ホットコット
2位 評価B+ 【イトーヨーカ堂・セブンプレミアmj】ボディヒーター
3位 評価B 【GU】あったかスタイル
4位 評価B 【イオン・トップバリュー】あたたかインナー
5位 評価B 【西友】エコヒート
6位 評価C+ 【グンゼ】ホットマジック
7位 評価C 【ユニクロ】ヒートテック
8位 評価D 【しまむら】ファイバーヒート
グンゼから販売されているホットマジック も吸水性が抜群な綿が95%使われているため、汗かきさんにおすすめです。
それだけでなく、ストレッチも効いているので、窮屈さを嫌う傾向にある重ね着の枚数が少ない人にオススメと言えるでしょう。
ポリエステルが多く含まれる
ポリエステルは速乾性に特化しています。
汗冷えでヒートテックが暖かくないという、多汗症の方にはオススメと言えるでしょう。
ポリエステルが多く含まれている冬用インナーは下記が上げられます。
商品名 | 販売元 | ポリエステルの割合 |
ジオライン | モンベル | 100% |
ボディヒーター | イトーヨーカドー | 61% |
モンベルから販売されているジオラインは、登山用の機能性インナーとして広く愛用されています。
ジオラインは冬用インナーではありませんが、生地は速乾性に優れているポリエステルのみでつくられています。
汗冷えでヒートテックが暖かくないという、多汗症の方にはオススメと言えるでしょう。
セブンプレミアムのボディヒーターは、速乾性に優れているポリエステルが、ヒートテックのより2倍近く使用されています。
そのため、ボディデーターは、ヒートテックより汗で濡れた状態から乾くまでが短く済む可能性が考えられます。
終わりに
今回、色々と調べていく中で「ヒートテックが暖かくない」という方の特徴が見えてきました。
外で長時間じっとしている人、多汗症の方、重ね着の枚数が少ない人は、ヒートテックではなく、綿が使用されている、もしくかポリエステルが多く含まれる冬用インナーを試してみてもよいかもしれません。
本記事をきっかけにして、暖かく冬を過ごせていただけたら幸いです。
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